研究課題/領域番号 |
26289135
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
細田 暁 横浜国立大学, 都市イノベーション研究院, 准教授 (50374153)
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研究分担者 |
阿波 稔 八戸工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (10295959)
井林 康 長岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10321415)
半井 健一郎 広島大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10359656)
岩城 一郎 日本大学, 工学部, 教授 (20282113)
林 和彦 香川高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20334633)
田村 隆弘 徳山工業高等専門学校, その他部局等, 教授 (60171899)
石田 哲也 東京大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60312972)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | コンクリート / 品質確保 / 構造物 / 表層品質 / 復興道路 |
研究実績の概要 |
(1) 橋梁上部工(PC桁,床版)とトンネル覆工コンクリート用の施工状況把握チェックシートの開発と有効性の検証を開始した。山口県のひび割れ抑制システムで開発された施工状況把握チェックシートを応用した。チェックシートは,施工の基本事項が遵守されるための監督員の能動的なアクションを支援するツールである。新たな施工状況把握チェックシートの開発は研究代表者,研究分担者が東北地方整備局と議論しながら行った。 (2) 橋梁上部工とトンネル覆工コンクリート用の目視評価法の開発した。研究代表者が開発した目視評価法は,橋梁の下部工等での定量的な品質評価に有効であることが実証されていたが,橋梁上部工やトンネル覆工コンクリートを対象とした目視評価法の改良を行った。実際の工事において活用され,PDCAの効果が確認された。 (3) トンネル覆工コンクリートでの表面吸水試験法の確立のための検討を行った。細田・林が開発した表面吸水試験を,円形断面のトンネル覆工コンクリートで実施するための手法を確立した。特に,トンネルの頂点部では表面吸水試験を下面から実施する必要があり,そのためのシステムを開発した。表面吸水試験は,コンクリートの含水率の影響を受けることが知られており,非破壊の含水計と組み合わせた計測法と,表面吸水試験から得られた指標によるコンクリートの緻密さの評価方法の確立に向けて研究を開始した。田老第6トンネルにおいて,表面吸水試験の計測を実施し、施工や養生の影響を定量的に分析した。 (4) 品質確保の研修会の実施と日本の各地域への展開のための活動を行った。本研究で活用する施工状況把握チェックシートと目視評価は,発注者と施工者の能動的な協働関係を構築するための手法でもある。協働関係を構築することの意義を研修会等により広く啓蒙した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
土木学会に「コンクリート構造物の品質確保小委員会」が2014年10月に設立され、本研究課題と並行する形で委員会活動を展開している。研究代表者はこの委員会の副委員長を務めている。本研究課題の研究メンバーは全員、この委員会に中核メンバーとして参画しており、密に情報交換を行って研究を推進できている。復興道路を主たる実践の舞台とし、当初予定していた研究がほぼ予定通り実践できている。
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今後の研究の推進方策 |
2014年10月に活動を開始した土木学会に「コンクリート構造物の品質確保小委員会」(研究代表者が副委員長,活動期間は2年程度)と歩調を合わせ,これまでと変わらず東北地方整備局と緊密に連携しながら,研究目的を達成するために全力を尽くす予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
分担研究者(東京大学 石田哲也)が74,780円の研究費をH27年度に使用した方が,予定している研究の遂行のために有効に活用できると判断したため。
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次年度使用額の使用計画 |
H27年度に繰り越した74,780円を,H27年度に予定されていてる配分額と合わせて,研究の遂行のために有効に活用する。
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