研究課題
社会インフラの経年劣化に伴うコンクリート構造物の耐力や変形能力の低下は深刻な問題であり、国民の安全安心な生活を脅かすため、その解決が喫緊の課題となっている。本研究は、低下した耐力を構造的に回復することのできる簡易で有効な新しい補強方法の開発を目指すものである。新しい補強方法として、(1)破断したPC鋼材を有するPCはりに対するCFRPシート接着による曲げならびにせん断補強、(2)プレテンションUFC板を用いた損傷したRC部材の曲げならびにせん断補強、(3)細径ステンレス鉄筋を使用したRC板(SUS埋設型枠)とPCストランドを併用した、損傷したRC部材に対するせん断補強、等の研究を実施してきた。(1)については、ポストテンション方式のPCはりを対象に、配置されたPC鋼材の1/2がスパン中央で切断された(すなわち、PC鋼材量が1/2に減少した)際に、曲げ耐力はほぼ1/2に低下するものの、CFRPシートをPCはりの下面に適当量接着することにより、PCはりの曲げ耐力を当初の水準まで復元できることを見出した。また、せん断補強鉄筋が完全に消失した場合であっても、CFRPシートをPCはりのウェブ部分に適当量接着することにより、せん断耐力を当初の水準に復元できることを確認した。(2)のプレテンションUFC板接着による損傷RC部材の曲げならびにせん断補強に関しても、当初の曲げならびにせん断耐力を十分に回復できることを確認した。(3)の細径ステンレス鉄筋を使用したRC板(SUS埋設型枠)とPCストランドを併用して、損傷したRC部材に対するせん断補強を行った結果、せん断補強効果、ならびに変形能力の増加が顕著となり、十分にせん断補強効果のあることが確認できた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 12件、 オープンアクセス 6件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件)
Journal of JSCE, Division E
巻: 5 ページ: 170-189
http://doi.org/10.2208/journalofijsce.5.1_170
土木学会論文集E2
巻: 73 ページ: 118-132
http://doi.org/10.2208/jscejmcs.73.118
Journal of Advanced Concrete Technology
巻: 15 ページ: 38-54
http://doi.org/10.315/jact.15.38
巻: 4 ページ: 181-196
http://doi.org/10.2208/journalofjsce.4.1_181
巻: 4 ページ: 59-71
http://doi.org/10.228/journalofjsce4.1_59
コンクリート工学年次論文集
巻: 38 ページ: 709-714
巻: 38 ページ: 595-600
巻: 38 ページ: 61-66
巻: 38 ページ: 1149-1154
巻: 38 ページ: 279-284
巻: 38 ページ: 1399-1404
巻: 72 ページ: 440-455
http://doi.org/10.2208/jscejmcs.72.440