研究課題/領域番号 |
26289143
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研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
杉戸 真太 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 教授 (60115863)
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研究分担者 |
北原 武嗣 関東学院大学, 理工学部, 教授 (00331992)
能島 暢呂 岐阜大学, 工学部, 教授 (20222200)
久世 益充 岐阜大学, 流域圏科学研究センター, 准教授 (30397319)
渦岡 良介 徳島大学, 大学院ソシオテクノサイエンス研究部, 教授 (40333306)
岩本 政巳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60232716)
伊津野 和行 立命館大学, 理工学部, 教授 (90168328)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 地震工学 / 強震動 / 海溝型巨大地震 / 構造物損傷度 / 耐震設計 / 震動継続時間 / 維持管理工学 / 土木工学 |
研究実績の概要 |
研究初年度である平成26年度において、以下の研究実績が得られた。 (1)我が国の3大都市圏のような地域の深い基盤構造の影響による地域固有の長周期地震動の特性を、研究代表者らによって提案されている強震動を加速度波形で予測する手法に適確に取り入れる方策を提案した。 (2)線形1自由度系の速度応答包絡線を用いて、所定の固有周期において速度閾値を超過する継続時間をスペクトル表現した「閾値超過継続時間スペクトル」を提案した。 (3)海溝型巨大地震による長時間継続する地震動を受ける鋼製橋脚を対象とし、繰り返し履歴による耐力低下に関して,数値解析的検討を行い、座屈パラメータが耐力低下に及ぼす影響を明らかにした。その他、RC部材を対象とした応答挙動への強震動継続時間の影響評価、2011年東北地方太平洋沖地震における地盤構造物の崩壊挙動の解析的分析等を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の概要で示したとおり、当初計画の各項目において平成26年度に予定していた個々の研究分担者による研究成果が得られている。
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今後の研究の推進方策 |
海溝型巨大地震による地震動の特徴である「3~5分程度におよぶ非常に長い強震継続時間を有する地震動」について、その予測手法を確立し、スペクトル強度を設計外力とする設計指針に強震動継続時間の影響を定量的に組み入れる方法を提案するとともに、想定地震に対する地域防災の実務に活用できる被害関数モデルを提案する。 平成27、28年度において、具体的に以下の検討を実施する。 ①断層の破壊伝播のパターン(ディレクティビティ効果等)と着目点との関係、表層地盤条件等の強震継続時間への影響、また、内陸直下地震による強震記録と比較して地震動強度と継続時間の2つの要素がどのように異なるのか等、地震工学的観点から検討する。 ②液状化地盤における土構造物と固有周期が長く減衰の小さい大規模なRCまたは鋼製橋梁等に的を絞り、破壊または応答値の進展が時刻歴でどのような挙動となるのかについて検討する。 ③(a)一般木造家屋構造、(b)RC構造、(c)鋼構造、(d)液状化地盤における土構造物、を対象とし、それぞれの構造形式の被害レベルを二つの地震動情報から簡便に推定する手法を検討する。 ④地震危険度解析の結果に上記検討結果を組み入れる方法論について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額(¥18,868)は少額であり、経費使用はほぼ当初の計画通りに進んだと考えている。
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次年度使用額の使用計画 |
平成27年度においても、当初の計画通りに使用していく。
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