• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

主応力方向が変化する桁形式橋梁主桁横桁交差部の疲労き裂進展挙動と疲労強度評価

研究課題

研究課題/領域番号 26289147
研究機関法政大学

研究代表者

森 猛  法政大学, デザイン工学部, 教授 (10157860)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード疲労強度 / 主応力角度 / 移動荷重 / 面外ガセット
研究実績の概要

桁ウェブ直上を車が通過すると,せん断力の向きが反転するためにウェブの主応力の方向は変化するが,主応力の方向が変化する場でのウェブガセット溶接継手の疲労強度評価法は明らかになっていない.本研究では主応力方向が変化する応力場での疲労強度評価法を確立するために不可欠な,移動荷重による鋼I桁ウェブガセット溶接部の応力性状を明らかにすることを目的とし,面外ガセットを有する桁試験体の移動荷重下の応力測定試験と,それを対象とした有限要素応力解析を行った.さらに,同様の試験体を用いて移動荷重疲労試験と主応力方向が変化しない定点荷重疲労試験を行った.
本年度得られた主な結果は以下のとおりである.
(1) 梁理論ではせん断応力と主応力の角度は瞬時に変化・反転することになるが,実際には鉛直方向応力の影響で,なだらかに変化する.(2) せん断応力がなだらかに変化することにより,最大主応力の角度もなだらかに変化し,主応力の最大点も着目位置直上ではなく,そこから若干離れた荷重位置で生じる.(3) 溶接止端での応力は,応力集中を受けない位置に比べて大きくなるものの,主応力方向の変化は小さい.(4) 最も大きい最大主応力が生じる溶接止端部内の位置は,主応力方向から見て溶接止端が突き出た位置である.溶接止端に沿う最大主応力発生位置と方向は,荷重の移動とともに変化する.疲労強度の評価においては,このような挙動に注意すべきと考えられる.(5)移動荷重下の疲労強度は,従来から行われている定点荷重下の疲労強度に比べて,20%程度低い.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画では,実橋梁で応力測定を行う予定であったが,疲労試験に集中したため,実施できなかった。今年度実施の予定である.
桁の移動荷重下での応力測定試験と疲労試験については,予定通り実施、また27年度実施予定の一部についても完了した.定点荷重による疲労試験は,当初の計画では行う予定ではなかったが,移動荷重下での疲労強度と比較する目的で行った.

今後の研究の推進方策

移動荷重に伴う主応力の変化については,鉛直方向応力の影響が大きいことが明らかになかった.そのため,今後は鉛直方向応力がより大きくなる桁ウエブの上部にも面外ガセット取付け,移動荷重疲労試験と定点荷重疲労試験を行う.さらに,このような試験体を対象とした応力解析を行う.
以上の結果を利用して,主応力方向が変化する応力場での疲労強度評価法の確立を目指す.

次年度使用額が生じた理由

謝金(実験補助)の3月分を2014年度中に支払うことができなかったため。また、2014年度に予定していた実橋での応力測定を2015年度に変更したため。

次年度使用額の使用計画

2015年3月分の謝金と実橋測定で必要となるひずみゲージの購入。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 面外ガセットを有する鋼桁ウェブの移動荷重による応力変動2014

    • 著者名/発表者名
      松井喜昭、森 猛、村越 潤、平野 秀一
    • 学会等名
      平成26年度土木学会全国大会第69回年次学術講演会
    • 発表場所
      大阪大学(大阪府豊中市)
    • 年月日
      2014-09-10 – 2014-09-12

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi