研究課題/領域番号 |
26289150
|
研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松島 亘志 筑波大学, システム情報系, 教授 (60251625)
|
研究分担者 |
波多野 恭弘 東京大学, 地震研究所, 准教授 (20360414)
渡辺 圭子 立命館大学, 理工学部, 准教授 (80423599)
別府 万寿博 防衛大学校(総合教育学群、人文社会科学群、応用科学群、電気情報学群及びシステム工, システム工学群, 教授 (90532797)
北島 弘子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 火山研究部門, 外来研究員 (60635796)
|
研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 地盤材料 / 高圧 / マイクロメカニックス / 粒子破砕 / 圧縮固化 |
研究実績の概要 |
(1)大型一次元圧縮試験:高圧領域において,装置や粒子自体の弾性による圧縮変位の影響を補正し,精度の良い圧力-間隙比関係を求めた結果,3桁のオーダーでのべき乗関係を確かめた.一方,十分破砕した後の累積粒度分布においても,べき乗関係(フラクタル粒度)が確認された.このときのべきは,山砂で凹凸のある岐阜珪砂と川砂で丸みのある鹿島珪砂で変わらず,Apollonian Sphere packingでのべきと一致する値となった. (2)高圧高速回転せん断試験:岐阜硅砂および鹿島硅砂を垂直応力0.2-3 MPa,すべり速度1 mm/s, 0.1 m/s, 1 m/sの条件下でせん断試験を行った.せん断が進行するにつれてせん断応力および間隙比は定常状態に至るが,その過程の速度依存性は小さいことが明らかになった。また実験前後の試料について粒度分析を行い,せん断後の砂粒子は,1次元圧縮試験と同様に,フラクタル分布になることが明らかになった. (3)高速衝突実験:岐阜珪砂層に対して飛翔体高速衝突実験を行い,マグネット・コイル法により飛翔体速度履歴を求めた.その結果,速度減衰履歴が変化する遷移速度は砂の鉱物組成や粒径に依存せず,充填率のみに依存することが明らかとなった. (4)砂層の爆発衝撃実験:爆発実験土槽を用いた爆土圧計測法について予備実験を行った。爆薬からの距離を変化させて、高周波対応の圧力センサーを用いて圧力~時間関係を計測する方法を検討した。 (5)粒子破砕による粒度分布進化に関する理論構築:粒径分布関数の時間発展を決める衝突関数について、H26で得られた平均場的な解の拡張を試みた。粒子配置の平均場からのずれを実験的に評価することは困難であるため、まず高速剪断の場合について粒子シミュレーションを行い、近接粒子のサイズ比の空間相関が卓越する条件を明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
H26年度に選定した共通試料を用いて,各種実験を行った.得られた結果は整合的であり,また新たな発見もあった.また,現在検討されている理論モデルは,それらの実験結果と調和的であることから,研究は順調に進展していると判断できる.
|
今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度であり,引き続き実験を進め,最終的な結果を得ることが第1の目標である.その上で,研究分担者会議により結果を議論し,全体として整合性のある知見を得ることを第2の目標とする.同時に,成果についての論文執筆を進める.
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究計画全体としては予定通り進行しているが,いくつかの実験について,準備に多少の遅れが出ており,そのために次年度使用額が発生した.
|
次年度使用額の使用計画 |
次年度は最終年度であり,遅れの出ている実験(高速衝突実験や爆破実験)を完了する予定である.未使用額はその実験のための消耗品に使用する.また,研究成果の発表にも使用する.
|