研究課題/領域番号 |
26289159
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
浅沼 順 筑波大学, 生命環境系, 教授 (40293261)
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研究分担者 |
松島 大 千葉工業大学, 工学部, 教授 (50250668)
萬 和明 京都大学, 工学研究科, 助教 (90554212)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 陸面モデル / 大気陸面相互作用 / 陸面同化システム |
研究実績の概要 |
対象領域の土壌水分の時空間分布の統計的特性を明らかにした.まず、土壌水分の空間分布の主要な要因として、降水、地形、植生(土地被覆)を考えた.この中で、地形については、JAXAのALOS2の地形データを用いて、平均土壌水分量と地形要素(斜度、傾斜向き)との相関を調べたところ、地形と土壌水分との関連性は見いだせなかった.次に、降水量の空間分布と土壌水分の空間分布を調べるために、地表面の土壌層の水収支を考え、蒸発量を土壌水分の関数と仮定することによって、土壌水分観測値の時間変動から降水量を逆推定した.この降水量の空間分布を調べると、対象地域の暖候期における対流性の降水の空間分布に強く支配され、空間における相関距離の小さい降水分布となっていることが明らかとなった.
同化実験対象領域(MDG観測点を中心とする約40 km四方)における表層土壌水分の空間分布データを地表面熱収支モデルの最適化手法によって推定した。これにより、2001~2013年まで(日射量データが欠損している2006, 2007年を除く)の夏季(5~9月)における 2 km 格子の表層土壌水分分布の時空間データが整備された。
陸面過程モデルSiBUCと粒子フィルタによる平滑化手法を開発してきた.また、データ同化頻度の違いによる土壌水分および蒸発散への影響を考察した.その結果,毎日データ同化を行う場合を頻度が最も多いとした場合,同化頻度が多い方が観測値に近い土壌水分を推定することができること,同化頻度が少なくてもある程度の推定精度向上は見込めること,データ同化が行われるタイミングが推定結果に強く影響することがわかった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
土壌水分量の陸面データ同化実験に使用していたワークステーションに不測の故障が生じ、実験が中断、修理・調整に予想以上の時間がかかったため。
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今後の研究の推進方策 |
新たにワークステーションを購入、同化実験を再開すると同時に、個々のグループの分担を再度明らかにし、それぞれの研究を計画通り推進することとした.
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次年度使用額が生じた理由 |
土壌水分量の陸面データ同化実験に使用していたワークステーションに不測の事態が生じ、実験結果の解析・まとめを行い国際学会にて行う予定だった実験結果の発表が次年度に延びたため。
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次年度使用額の使用計画 |
ワークステーションの新規購入および時期はやや遅れたが当初予定どおり、学会での実験結果発表に関わる旅費として使用する予定である。
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