研究課題
うねり性波浪の実態解明のため,海象計による方向スペクトルの推定手法として開発された拡張最尤法とベイズ法に加えて,より厳密な計算で方向スペクトルを推定可能な高精度化を行った.そして,うねり性波浪を想定した数値シミュレーションにより各手法による方向スペクトルの推定精度を比較することにより,高精度化したベイズ法がうねり性波浪の方向スペクトルを最も高精度に推定できることを検証した.また,平成27年度に八戸港,下田港,秋田港を対象として実施した多層(10層観測)型超音波ドップラー式海象計による波浪観測データを方向スペクトル解析した.さらに,直江津,苫小牧,常陸那珂,細島の2008~2012年の5年間の観測データをスペクトル解析した.そして,これらの解析データを元に我が国周辺海域の長周期波成分のスペクトル特性を検討した.長周期波スペクトルの月別・年別の平均値は平石(1997)と同様な平坦なエネルギー分布を示すが,高波浪時には地点別、擾乱別に広い範囲で分布形が変動し,それらの特性を有義波高・周期等の波浪諸元でパラメタライズすることは困難である.そこで,有義波周期に加えて,どの様なパラメータがスペクトルの周波数特性を表現可能なのか検討し,マイナス1次モーメント周期が合理的パラメータであることを観測データで検証し,長周期波の標準スペクトルを提案するための具体的方途を見出した.さらに,検討した観測データ期間の気象擾乱を入力条件として,第三世代波浪モデルにより波浪推算を実施した.そして,推算値と観測値を比較し,波浪モデルによる方向スペクトルの再現精度を検討した.その結果,気象擾乱時に沿岸域で発達する長周期成分を推算するためには,沿岸域で発生するトラップモードの長周期波を精度良く推算できるモデルの改良が必要であることが示唆された.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 謝辞記載あり 6件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 2件)
The Proceedings of the 27th International Ocean and Polar Engineering Conference
巻: なし ページ: 不明
土木学会論文集B2(海岸工学)
巻: 72 ページ: I_115-I_120
http://doi.org/10.2208/kaigan.72.I_115
巻: 72 ページ: I_163-I_168
http://doi.org/10.2208/kaigan.72.I_163
土木学会論文集B3(海洋開発)
巻: 72 ページ: I_295-I_300
http://doi.org/10.2208/jscejoe.72.I_295
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http://doi.org/10.2208/jscejoe.72.I_318
Techno-Ocean 2016
巻: なし ページ: 460-464
10.1109/Techno-Ocean.2016.7890698