研究課題/領域番号 |
26289168
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
森杉 壽芳 東北大学, 情報科学研究科, 名誉教授 (80026161)
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研究分担者 |
河野 達仁 東北大学, 情報科学研究科, 教授 (00344713)
武藤 慎一 山梨大学, 総合研究部, 准教授 (90313907)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 費用便益分析 / 経済成長理論 / 動学SCGE / 災害と復興の経済的被害 / 交通動学便益 |
研究実績の概要 |
1.理論分析:(1)市場均衡を示す一国ラムゼー型経済成長モデルの開発と定式化を行った。(2)消費と資本ストックに関する移行経路と定常均衡(持続状態)の定式化をおこなった。(3)定常均衡に関する長期比較静学と長期静学便益算定公式の提示をした。(4)移行経路に関する比較動学と動学便益算定公式の提示をした。(5)動学便益の短期および長期静学便益による近似公式(前者を動学乗数と名付けた)の提示をした。(6)死亡確率過程を導入した連続世代重複モデルの策定と死亡率変化の動学便益時系列算定と統計的生命の価値を示す公式の提示をした。 2.実証研究:(1)一国ラムゼイ型経済成長モデルの数値計算手法を開発した。このため、生産関数と効用関数の特定化、パラメータ推定、定常均衡と移行経路の数値計算と求解(消費と資本のパラメータによる表現)を行った。(2)パラメータの変化で整備を表現することができる高速道路と防災を対象として便益時系列算定公式に代入して便益算定を行った。(3) 資本ストックの減少で表現される東日本震災被害と復興の経済被害時系列の算定を行った。(4)死亡確率過程を導入した連続世代重複モデルの策定と死亡率変化の動学便益時系列と統計的生命の価値を算定した。 3.SCGE研究:(1)伴モデル(動学SCGE)を用いて温暖化による水害激化の動学被害を計算した。(2)自家輸送を含む機関別交通部門を組み込んだ2005年地域間IO表を作成した。(3)改良したIO表に伴モデル(動学SCGE)を適用して高速道路建設の動学便益を計算した。(4)高速道路を対象として、短期静学SCGEによる便益と動学便益の相違点を動学乗数と動学乗数現在価値比で示し、静学便益が過小評価であることを示した。(5)48県静学SCGEを用いて戦後1万km建設の静学便益と費用便益比を示した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究実績の内容は、申請時の計画にほぼ等しい。したがって、おおむね順調に進展していると評価する。進展の遅れている課題は、災害と復興の経済的被害の実証とSCGEによる計算である。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、交通、防災、環境整備を、それぞれ、適切なパラメータの変化で示すことを提案している。H26年計画においては、基準時点において1回のみのパラメータの変化があるとの想定での便益推定式を開発した。H27年計画においては、整備を示すパラメータが時間の関数である時の便益推定式の開発を行う。具体的には、パラメータが時間の関数であるとしたときの成長論に関する以下のことを行う。 1.理論分析:(1)市場均衡を示す一国(多部門)ラムゼー型経済成長モデルの開発と定式化を行う。(2)消費と資本ストックに関する移行経路と定常均衡(持続状態)の定式化を行う。(3)定常均衡に関する長期比較静学と長期静学便益算定公式の提示を行う。(4)移行経路に関する比較動学と動学便益算定公式の提示を行う。 (5)死亡確率過程を導入した連続世代重複モデルの策定と死亡率変化の動学便益時系列算定と統計的生命の価値を示す公式の提示を行う。(森杉担当) 2.実証研究:(1)一国(多部門)ラムゼー型経済成長モデルの数値計算手法を開発する。このため、生産関数と効用関数の特定化、パラメータ推定、定常均衡と移行経路の数値計算と求解(消費と資本のパラメータによる表現)を行う。(2)パラメータの時系列変化で段階的整備を表現することができる高速道路、防災、観光・レク整備を対象として便益時系列算定公式に代入して便益算定を行う。 (3)死亡確率過程を導入した連続世代重複モデルの策定と死亡率時系列変化の動学便益時系列と統計的生命の価値を算定する。(河野担当) 3.SCGE研究: (1)H26年に改良した動学SCGEを適用して、高速道が1955年から50年にわたる段階的建設がなされたことの動学便益時系列の計測をおこなう。(2)地球温暖化により今後100年にわたり、水害が増大していくことの経済的被害の予測を行う。(3)準動学SCGEの開発とラムゼー型動学SCGEとの比較を行う。 (武藤担当)
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次年度使用額が生じた理由 |
コンピュータとプリンタ(100万円程度)を購入予定であったが、50万程度の購入にとどめ、既存のもので1年目は間に合わせた。今年度購入予定である。2014年11月と2015年2月に海外出張(60万円程度)を、体調不良のため、見合わせた。今年度は出張予定である。図書の支出予定が20万円程度の海外図書に関して、図書の内容のオリジナル論文を探して、間に合わせた。しかし、必ず、購入せねばならないものであるので、今年度購入予定である。人件費・謝金も、先方が体調をくずしたため、担当者が処理した。このため、整理の作業が残っている。
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次年度使用額の使用計画 |
物品費として、コンピュータ5台とプリンタ1台を購入予定(120万円)。図書40万円購入予定。旅費として、海外出張(70万円程度)と国内旅費(70万円)の予定。人件費・謝金60万予定。その他34万円予定
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