研究課題/領域番号 |
26289193
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研究機関 | 北九州市立大学 |
研究代表者 |
津田 惠吾 北九州市立大学, 国際環境工学部, 教授 (50112305)
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研究分担者 |
城戸 將江 北九州市立大学, 国際環境工学部, 准教授 (10453226)
保木 和明 北九州市立大学, 国際環境工学部, 講師 (70599026)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 構造工学 |
研究実績の概要 |
今年度は,実験的研究ならびに解析的研究を行った. 実験的研究では,lk/D=20の細長いCFT柱の試験体を製作し,一定軸力下において,水平方向単調載荷の実験を軸力比をパラメータとして行った.軸力比は,0,0.15,0.3,0.6である.これらの実験結果と現行の設計式による,軸力と曲げモーメントを受ける柱の終局耐力(断面耐力)と細長いCFT柱の終局曲げ耐力を比較した.その結果,いずれの試験体も断面耐力を上回っていることを確認した.これらの実験結果と平成26年度の文献調査の結果から,パラメータとして振幅(柱の部材角)1%,2%,3%を選び,繰り返し実験を行った.これらの実験より,部材角が2%,3%の場合は軸力比が大きいほど,部材角が大きいほど,荷重の低下が著しいことを示した.また,軸力比が0.15の場合は,荷重と繰り返し回数の関係を見ると,荷重の低下は収束する傾向にあったが,0.3の場合は発散する傾向にあった.また,部材角が1%の場合は,軸力比が0.15,0.3の場合では300サイクル繰り返しても荷重の低下がみられないこと,軸力比が0.6の場合では,100サイクル繰り返しても荷重の低下がみられないことを示した. 解析的研究では,①許容耐力に関する検討では,一定軸力のもと水平方向単調載荷を受けるCFT短柱の,許容耐力,降伏耐力を,応力―ひずみ関係をパラメータとして解析し,応力-ひずみ関係の及ぼす影響を示し,②曲げモーメント勾配に関する検討として,一定軸力のもと,上下端に曲げモーメントが作用するCFT柱の挙動について示し,モーメント拡大係数を示した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ほぼ計画通りに進んでいる.しかし,実験については試験体の取付精度が実験結果の精度に大きく影響することが判明したので,治具の調整等に時間を割いた.よって,当初予定していた中空断面柱の単調載荷とlk/D=10の試験体は次年度に実施することとした.また,本研究の目的である長周期地震動を受けるCFT柱の新しい設計式を提案するにあたり,当初考えていた実験パラメータでは不足することと,繰り返し回数も必要に応じて増やす必要があると判断したため,試験体数を増やしたり繰り返し回数を増やしたりした.全体として,研究課題の目的を達成するために必要な修正は行ったものの,順調に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
繰り返し回数を増やしたため,早い段階から実験的研究に取り掛かることとする.また,ある程度実験パラメータが必要であることが判明したので,今後は試験体数を増加させ,ひずみゲージの貼り付け枚数を減らすなど,効率化を目指す. 当初の予定通り,実験的研究と解析的研究の両方を進めることとし,最終年ではCFT柱の設計法の提案を目指す.
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次年度使用額が生じた理由 |
lk/D=10の試験体にゲージをすべて貼り付けておく予定であったが,貼り付けていない(購入していない)ため.
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次年度使用額の使用計画 |
ゲージを購入し,予定通り実験を進める.
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