研究課題/領域番号 |
26289199
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
羽山 広文 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80301935)
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研究分担者 |
菊田 弘輝 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (20431322)
森 太郎 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (70312387)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | データセンタ / 空調設備 / 高効率化 / 省エネルギー |
研究実績の概要 |
■冷涼な外気を活用した高効率空調方式 (1) 外気冷房の実用化評価: データセンタ(DC)において、室内に設置されたIT 機器で消費する電力は、ほぼ全てが熱になるため、適正な運用には冷却システムの運転が欠かせない。本研究では北海道石狩市に建設された郊外型大規模DC(現在2棟11,400㎡、将来8 棟45,500㎡)を用い、豪雪・風雨・塩害等の厳しい自然条件を克服するための建築的工夫(建物本体を軽量で断熱性能の高いダブル折板屋根で包み込み、壁面のオーバーハングや、屋根端部のアール形状)の効果を長期にわたる実測調査を通じ、年間を通して、暴風雨、雪、塵埃、塩分等を除去し、温度・湿度を的確にコントロールできることを検証した。また、冷涼な外気を活用し、年間空調用エネルギー消費量を大きく削減し、年間PUE(Power Usage Effectiveness, 全体の電力消費量/ICT 機器の電力消費量)を1.15 程度となることを目標に、空調設備の運転制御のチューニングを施し、その効果を検証した。 (2) 気化式加湿器の潜熱冷却効果の分析・評価: 気化式加湿器は室内に冷却された空気を送風する空調機内に設置され、蒸発する際に吸熱反応による冷却効果が生ずる。乾燥した地域では有効な冷却方式として活用されている が、国内ではその実績が少ない。本施設で実施しているAHU内に設置した気化式加湿器を用い、加湿水量、風量、加湿器前後の温湿度を長期間、連続的に計測し、加湿器の潜熱冷却効果を定量的に把握し、外気冷房適用期間の延長可能性を検証した。 (3) 潜研熱分離空調システムの実測調査・評価: 高効率空調システムの実現に向けた潜顕熱分離空調システムの実測を行い、その性能を評価した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
■冷涼な外気を活用した高効率空調方式 ①外気冷房の実用化評価、②気化式加湿器の潜熱冷却効果の分析・評価、③潜研熱分離空調システムの実測調査・評価を行い、高効率化へ向けた運転制御方式を確立するとともに、国内最大級の外気冷房DC の有効性を実証した。
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今後の研究の推進方策 |
■生産施設への置換換気方式の適用 ①置換換気される室内の機器排熱が室温分布へ与える影響、②工作機器に排気塔を設けた置換換気方式の評価を行い、IT 機器以外の工作機械工場などの生産施設に適用した際の課題と効果を明らかにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
解析用PCの購入を平成28年度に繰り越したため。
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次年度使用額の使用計画 |
解析用PCの購入に充てる。
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