研究課題/領域番号 |
26289205
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研究機関 | 秋田県立大学 |
研究代表者 |
松本 真一 秋田県立大学, システム科学技術学部, 教授 (70209633)
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研究分担者 |
赤坂 裕 鹿児島大学, 本部理事会, 監事 (20094112)
永村 一雄 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60138972)
野澤 宏大 鹿児島工業高等専門学校, 一般教育科理系, 准教授 (60398914)
井川 憲男 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 名誉教授 (80398411)
二宮 秀與 鹿児島大学, 大学院理工学研究科, 教授 (90189340)
中山 哲士 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (90264598)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 気象データ / 国際研究情報交換 / マレーシア / シンガポール / 建築環境設計 / 紫外域日射 / 光合成有効放射 / 天空日射成分 |
研究実績の概要 |
東南アジア地域におけるサステナブルな低炭素社会の実現に向けた環境整備に資する設計用気象データを提供することを最終的な目的とする、3ヶ年計画の研究の中間年度の活動を展開した。本年度の実績は以下の通りである。 (1)観測ステーションの開設と既存気象データ収集の継続(全研究分担者担当):ペトロナス工科大(マレーシア)とシンガポール大に観測ステーションを開設し、精細なデータ収集を継続中である。既存データの分析により、日射量の直達・散乱成分の比率に疑念が生じたため、当初計画にない機器による観測も追加した。なお、次項以降の課題に対する原データとしての既存気象データの整備は進捗がやや遅れており、途上である。 (2)既存気象データの分析と欠測補充方法の確定(鹿児島大・二宮、大阪市立大・永村、岡山理科大・中山):(1)で収集した既存気象データの異常データ(エラー値)や欠測頻度について分析し、データの品質の検討結果を踏まえて、いくつかの品質水準グループに区分した。また、近隣地点データや当該地点の他の気象要素から、エラー値や欠測値を補充する方法を確定した。 (3)既存気象データの整備と設計用データへの変換方針の確定(鹿児島大・赤坂+二宮、大阪市立大・永村、岡山理科大:中山):(2)の検討を踏まえて仮作成した気象データセットをリソースとして、設計用データに加工するための基本フレームを確定した。 (4)要素補充方法の立案と検討(全研究分担者担当):a)空間的補間、時間的補間の方法、b)追加要素として推定可能な気象要素の選定とその推定方法、c)標準年データの構築方法を検討した。b)に係る推定方法として、 b-1)紫外域日射モデル、b-2)波長別日射モデル、b-3)昼光照度モデルを検証した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)3ヶ年の研究費配分(年度別の科学研究費補助金と基金助成金)と当初の活動計画との間のマッチングが悪く、交付決定後に補正計画を立案したものの見通しが甘かったため、分担者と打合せの上、年度途中に大幅な計画見直しを行ったため。さらに、当初計画にない機材の購入を検討したため。 (2)海外に開設予定の気象観測ステーションのセキュリティおよび電源確保に大きな問題が生じ、その打開案の策定に難儀し、開設時期が大幅にずれ込んだため。
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今後の研究の推進方策 |
「現在までの進捗状況」に記した事由により、中間年度における研究の進捗状況は芳しくなかったものの、分担者との間で研究計画そのものの入念な調整を実施し、工程を何度も再構築した。 そのため、最終年度には確実に当初計画通りの研究成果が上がり、達成度の遅延は解消できると確信している。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究の経費総額においては、海外に設置する観測ステーション用の気象観測機器の導入・設営およびデータ収集のための海外旅費が占める割合が高い。当初の3ヶ年の研究計画においては、観測ステーションの設営時期を初年度に計画していたが、電源の確保やセキュリティ・保守性の確保、さらには政治情勢を含む現地の状況の変化など、思いがけない事態が生じたことや観測機器の較正に関して重大な問題があって、それを解決することを優先した。そのため、設営時期を繰り延べるよう、計画を変更した。これが大きな次年度使用額の生じた理由である。
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次年度使用額の使用計画 |
本年度、ようやく観測ステーションの運用が軌道に乗ったため、次年度は、海外調査旅費が嵩むことになる。また、研究成果の取りまとめに要する人件費・謝金も派生する。これらの経費として、計画的かつ適正に執行する所存である。
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