研究課題/領域番号 |
26289210
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
吉岡 陽介 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00361444)
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研究分担者 |
平沢 岳人 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30268578)
宗方 淳 千葉大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (80323517)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 中心視 / 周辺視 / 空間把握 / 探索歩行 / ヘッドマウントディスプレイ |
研究実績の概要 |
本研究では中心視および周辺視の役割を検証するため、視野の任意の部分を制限することのできる実験システムを開発し使用する。この実験システムによって中心視野と周辺視野を部分的に制限し、そのときに生じる被験者の行動の変化を観察することで、制限された視野の部分が本来ならば担っていたであろう役割を、定量的に導き出す。平成26年度は、新しい実験システムの開発に注力した。 まず下記の構成で没入型HMDを制作した。ディスプレイには、軽量で画面が精細であることから、LG製液晶パネル LP097QX1を使用した。外部撮影カメラには、画角が170度と人間の周辺視野を再現できることから Clementia社のドライブレコーダー用カメラ(PDVR-CX-01)を使用した。制作したHMD自体には演算処理機能は無いため、画像処理を行うパソコンと接続した。パソコンとの配線があるため移動範囲に制限があるものの、画像処理はパソコンで行うためフレームレートの問題は生じなかった。 つづいてHMD内への眼球運動抽出デバイスの挿入を試みた。HMDのディスプレイ下部に、眼球運動抽出デバイスを上向きに設置し、眼前レンズの下端に重なるように極小のハーフミラーを配置することとした。ハーフミラーを介することで、装着者の視野を遮ることなく眼球運動の映像を撮影することができる。また眼球映像の撮影およびプルキニエマークの創出に必要な赤外線光も、同一のハーフミラーを介して逆経路で照射する方法を採用したことで、諸構成要素の統廃合が進み、スリム化と軽量化が実現できるようになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定していた実験装置の開発が滞りなく完了したため。
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今後の研究の推進方策 |
開発した実験システムを装着した被験者に対して様々な視覚検査を実施し、この実験システムの基礎的な性能データを収集する。測定したデータと、従来の心理学系研究における視野感度の測定結果とを比較し、システムの運用に際して留意すべき事項を明確化する。実験システム装着時において著しい視覚応答精度の低下が認められた場合は、必要に応じてプログラムの見直しやシステムの再アセンブルをおこない改善を試みる。特に眼球運動抽出デバイスの取付け治具について、次期開発デバイスに合わせた修正を施す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
開発した実験システムにマウントする眼球運動抽出デバイスの仕様が次年度に更新されることがわかったため、今年度の購入を保留し次年度以降に最新版を導入することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
開発した実験システムにマウントするための眼球運動抽出デバイスの最新版を購入する。
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