原子配列や、原子変位、磁気スピン、電子分布など、物質・合金には多様な内部自由度があり、かかる自由度の励起・遷移が多彩な材料特性の発現を担っている。しかし、種々の自由度が競合・共存する系に対して、多岐にわたる自由度を効率的に最適化し、高精度の自由エネルギーを求めることには理論上大きな困難が伴う。本研究では、クラスター変分法を用いて、原子変位、磁気スピンの自由度を配列の自由度に変換する手法を提案し、Ni(fcc)の有限温度磁性の計算、Ni3Al-L12規則相の急熱・急冷に伴う長距離規則度の緩和過程の計算、二次元正方格子を対象にして連続変位クラスター変分法へ多体相互作用を取り入れる計算等を実行した。
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