研究課題
本研究は4 Tbit/in2を超えるハードディスクドライブ(HDD)の実現のために、微粒子・狭分散・高アスペクト比・高異方性・低スイッチング磁場分散を満たすL10-FePtグラニュラー媒体の開発を行うと同時に、熱・高周波磁場および光のエネルギーアシストを行うことによる磁化反転制御を行うことをめざしている。FePt媒体の微細構造制御では、低スイッチング磁場分散の実現に向けてFePt粒子の配向制御を行った。スイッチング磁場の分散の要因の1つにFePt粒子の配向分散が挙げられる。我々のこれまでの研究により、FePt粒子は下地のMgO層にエピタキシャル成長しているので、FePt粒子の配向向上にはMgOの配向の改善が重要である。そのためにMgOの下に配向制御層としてCrBを挿入したところMgO下地およびFePt粒子の両方において配向が向上した。透過電子顕微鏡で微細組織を観察した結果、MgOがCrB/MgO界面から結晶化していることが明らかになった。本研究のもう1つの課題であるエネルギーアシスト磁化反転では、熱・高周波磁場・円偏光を印加することにおいて、磁化反転磁界の低減をめざしている。円偏光をアシストした場合には最大50%の磁化反転が観測されているが、完全磁化反転を実現する必要がある。反強磁性的なスピン配列を持つ構造の交換結合を有効に利用することによりFePtにおいても円偏光のみで完全磁化反転が可能という論文がある。それを検証するために、本年度はFePt連続膜/Ru/CoPtの作製を行い反強磁性的なスピン配列をもつ条件の最適化を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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