| 研究課題/領域番号 |
26289240
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| 研究機関 | 香川大学 |
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研究代表者 |
馮 旗 香川大学, 工学部, 教授 (80274356)
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| 研究分担者 |
田中 康弘 香川大学, 工学部, 准教授 (10217086)
楠瀬 尚史 香川大学, 工学部, 准教授 (60314423)
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| 研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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| キーワード | メスクリスタル / ナノ複合体 / 強誘電体 / 結晶構造・組織制御 / 機能性セラミックス |
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| 研究実績の概要 |
本研究は、独自で開発したソフト化学反応法で結晶方位を揃えた2種類のナノ結晶からなるナノ複合メソクリスタル強誘電体を合成し、エピタキシャル結晶界面における結晶格子歪みと強誘電体の誘電特性・圧電特性との関係解明を目的とする。Ｈ２６年度次の成果が得られた。
層状チタン酸（HTO）板状粒子からBaTiO3/SrTiO3ナノ複合メソクリスタル板状粒子の合成を行い、BaTiO3/SrTiO3ナノ複合メソクリスタル板状粒子の生成反応メカニズムを調べた。HTOからBaTiO3/HTOナノ複合中間体への変換反応は反応条件に依存し、水溶媒ではBaTiO3ナノ粒子が均一分布したBaTiO3/HTOナノ複合中間体が得られた。BaTiO3/HTOナノ複合中間体からBaTiO3/SrTiO3ナノ複合メソクリスタル板状粒子への変換反応は、トポタキチック構造反応であり、反応条件によって生成物が異なる。水溶媒のような高い反応性条件では、BaTiO3/SrTiO3ナノ複合メソクリスタが得られず、Ba1-xSrxTiO3固溶体となる。水－エタノール混合溶媒のような温和な反応条件では生成したBaTiO3/SrTiO3ナノ複合メソクリスタル板状粒子が得られた。さらにBaTiO3/SrTiO3ナノ複合メソクリスタル板状粒子の強誘電特性評価を行い、強誘電性を確認した。
層状チタン酸（HTO）を剥離処理して得たHTOナノシート溶液を用いてTi金属基板上にHTO配向性薄膜を作製した。HTO配向性薄膜をBa(OH)2溶液と水熱反応させ、BaTiO3配向性薄膜を作製できた。さらに合成したBaTiO3/HTO中間体板状粒子をテンプレートとして反応性テンプレート法で配向性焼結体を作製し、Ba1-xSrxTiO3配向性焼結体が得られることを確認した。
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究が当初に計画したBaTiO3/SrTiO3メソクリスタル板状粒子の合成は、反応条件を制御すればできることを明らかにした。さらにナノ構造解析の結果からHTOからBaTiO3/HTOナノ複合中間体へ生成反応がトポタキチック反応で進行し、BaTiO3/HTOナノ複合に含まれるBaTiO3ナノ粒子はすべて結晶方位が揃っており、メソクリスタルであることがわかった。BaTiO3ナノ粒子のサイズや分布は反応条件を制御すれば制御できる。さらにBaTiO3/HTOナノ複合中間体からBaTiO3/SrTiO3ナノ複合の生成反応もトポタクチック反応であり、結晶方位が揃ったBaTiO3とSrTiO3ナノ粒子から構成されたBaTiO3/SrTiO3ナノ複合メソクリスタルが得られた。
さらに薄膜の作製では、HTO配向性薄膜とBaTiO3配向性薄膜を作製する条件を明らかにした。BaTiO3/HTO中間体板状粒子から反応性テンプレート法で配向性焼結体の作製を行い、Ba1-xSrxTiO3固溶体配向性焼結体の作製条件を明らかにした。
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| 今後の研究の推進方策 |
Ｈ２７年度は、メソクリスタル板状粒子の合成については、Ｈ２６年度のBaTiO3/SrTiO3結果を踏まえ、さらにBaTiO3/(Bi0.5K0.5)TiO3とBaTiO3/(Bi0.5Na0.5)TiO3メソクリスタル板状粒子の合成について検討する。反応メカニズムの解明とメソクリスタルのナノ結晶サイズや配向方位の制御法を検討する。メソクリスタル薄膜作製については、引き続きHTO膜からBaTiO3/HTO複合体の膜作製、さらにBaTiO3/SrTiO3薄膜の作製とナノ結晶サイズや配向方位の制御法を検討する。メソクリスタル焼結体の作製について、BaTiO3/HTO中間体板状粒子テンプレートを用いてBaTiO3/SrTiO3とBaTiO3/(Bi0.5Na0.5)TiO3メソクリスタル焼結体の作製を検討する。
さらに誘電・圧電特性評価について、作製したメソクリスタル試料のヒステリシス分極、圧電定数、誘電率等を測定し、圧電特性、誘電特性を解析し、エピタキシャル界面形成による誘電性、圧電性向上効果を調べる。
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| 次年度使用額が生じた理由 |
研究を継続するため、物品購入、出張旅費、人件費などが必要である
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| 次年度使用額の使用計画 |
物品購入費：焼結用治具、水熱反応用品、実験器具、実験用材料、試薬、液体窒素、基板材料、電子顕微鏡用品などの実験用消耗品の購入。 旅費： 国内外への研究成果発表、情報収集の出張旅費。 人件費： 究目的を遂行するため、試料作製・評価のため、RAとして研究室所属の大学院生２人への謝金。 その他： 成果を学会誌等への投稿料、学会への参加料
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