研究課題
昨年度に構築した三重点MPB理論を通して、非鉛圧電材料における巨大圧電効果の起源を解明し、高性能の非鉛圧電材料の創出指針を確立した。この指針を高キュリー温度を持つ材料系に応用し、高電圧特性を持ち、なおかつ高キュリー温度を有する非鉛圧電材料の設計方針を探った。具体的には以下の成果が得られた。・三重点MPB理論を応用して高圧電かつ高Tc特性を有する実用的な材料の開発に成功した。PZT代替効果を評価する初期的な実験も行った。・上記で設計した高Tc高圧電材料の最適化を行い、d33meterによる圧電物性、誘電率測定による誘電性、XRDによる構造解析、TEMによるドメイン構造解析等の実験を行い、新規圧電材料の物性評価を行った。・高Tcを有するKNN系のドメイン構造を解析し、高Tc系におけるドメインの圧電への寄与を明らかにした。
2: おおむね順調に進展している
目標である高電圧かつ高Tc特性を有する実用的な材料の開発に成功した。
H27年度で開発した高圧電かつ高キュリー特性を持つ新規材料の圧電特性の解明のため、高分解電子顕微鏡その場観察を用いて、MPB付近の微細組織及び温度、組成、外場依存性を調べ、巨大圧電効果と微細組織の関係を明らかにしていく。また、新規高材料を既存のPZTを用いたセンサーまたはアクチュエーターに組み込み、PZTの代替効果を検証していく。
今年度においては、国際会議への出席が予想より少なかった事と海外出張に関しては、相手機関負担の出張が主だった為、旅費とその他(参加費等に使用する予定であった)の費目について、予算がほぼ残る形となった。また、物品費についても、機器の故障や買替などが最小限で済んだので予算を下回る結果となった。よって次年度使用額が生じた。
精密変位計など装置の修理費国際会議出張旅費高純度材料、実験消耗品
すべて 2015 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (9件) (うち国際共著 9件、 査読あり 9件、 オープンアクセス 9件)
SCIENTIFIC REPORTS
巻: 5 ページ: 13377-1
10.1038/srep13377
Appl. Phys. Lett.
巻: 107[3] ページ: 032902-1
巻: 5 ページ: 11477-1
10.1038/srep11477
Mater. Sci. Eng. A-Struct. Mater. Prop. Microstruct. Process.
巻: 632 ページ: 110-119
10.1016/j.msea.2015.02.058
J. Appl. Phys.
巻: 117[12] ページ: 124107-1
10.1063/1.4916713
巻: 117[8] ページ: 084106-1
10.1063/1.4913454
Phys. Rev. Lett.
巻: 114[5] ページ: 055701-1
10.1103/PhysRevLett.114.055701
巻: 106[11] ページ: 112401-1
10.1063/1.4915308
巻: 106[21] ページ: 211903-1
10.1063/1.4921928