申請者が考案した新規析出強化法を利用して、(bcc+L21)複相耐熱合金の開発を行った。その結果、Fe-Al-Ni系およびFe-Al-Co系合金に少量のTi, Vを添加することで、bcc母相にL21相が析出した合金単結晶の作製に成功した。さらに、その降伏応力は、既存のフェライト系耐熱鋼のそれと比べ圧倒的に高い値を示した。また、同析出強化機構特有の現象として、Vを添加した合金中にbcc金属ではありえない<001>転位を運動させることに成功するとともに、その運動挙動についての知見が得られた。さらに、TiとVを共添加することで、母相と析出物のミスフィットを制御し、更なる高性能化に成功した。
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