今後の研究の推進方策 |
1.新材料の合成に向けてBiに代えてSbからなる構造と第二金属にAgなど一価金属を含むダブルペロブスカイト系結晶としてA2BB′X6 (B = Sb, Bi; B′= Cu, Ag, Au; X = Cl, Br, I)を合成する。ここでAはカリウム(K)やセシウム(Cs)などの一価カチオンであり結晶の製膜性と平坦性を高める目的でも組成比を調整する。また、この組成にさらにドーパントを添加することで結晶内の格子欠陥を減らし(passivation)、光物性を高める可能性を調べる。改善の観点は物理欠陥とトラップの密度を減らした電荷拡散距離の大きい(再結合損失の少ない)結晶材料の合成であり、この効果を蛍光寿命の測定をもとに評価する。さらに、光電変換における効率を計測して素子材料として優れる材料を見出す。 2.これらの結晶材料の薄膜について、光電特性と並行して材料の安定性(耐熱性、耐光性、大気中の湿気に対する耐久性)の評価も行う。
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