研究課題/領域番号 |
26289308
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
吉野 知子 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (30409750)
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研究分担者 |
前田 義昌 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (30711155)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 磁性粒子 / 膜タンパク質 / in vitro docking / 細胞内区画 |
研究実績の概要 |
本研究では、ターゲット膜タンパク質と磁性細菌粒子の双方に、ドッキングタンパク質を融合し、細胞の異なる区画で発現させる。これにより細胞破砕後に細胞外でin vitroドッキングが進むように設計する。平成28年度では、前年度までに構築したドックリン・コヘシン相互作用による標的タンパク質の磁性粒子上へのドッキングを利用し、膜貫通タンパク質の発現及び機能評価を行った。ヒト由来膜タンパク質として、細胞外領域にSS結合を多数有する甲状腺刺激ホルモン受容体(TSHR、膜7回貫通タンパク質)を用いた。TSHRを始めとするGタンパク質共役受容体 (GPCR)の機能発現には受容体中のSS結合の適切な形成が重要である。そこでTSHRのN末端を酸化的環境であるペリプラズム空間に局在させ、SS結合の促進を行うことで機能向上を行った。前年度までに構築した発現毒性を低減させた膜タンパク質発現系 (Minimum expression system)を用いてTSHRを発現させたところ、粒子上への全長TSHRの固定化が確認された。その発現量は従来法のTSHRを粒子上のアンカータンパク質Mms13に直接融合した場合と同程度であった。よって、in vitroドッキング法によりペリプラズム空間で発現させた膜タンパク質を粒子上に固定化可能であることが示された。また、甲状腺刺激ホルモン (TSH)に対する結合が確認され、従来法と比較してTSHに対して高い親和性を保持していることが示された。更に、立体構造を認識するTSHRに対する自己抗体を用いた結合試験では従来法と比較して結合量の向上が確認された。これらの結果はペリプラズム空間の酸化的環境下でTSHR中のSS結合の形成が促され、TSHRの機能の向上及び高次構造の保持につながったことが示唆された。以上より、ヒト由来膜タンパク質の機能発現にin vitroドッキング法の有効性が示された。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額が生じた理由 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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次年度使用額の使用計画 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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