疎水性温度応答性ポリペプチドとポリアスパラギン酸の融合タンパク質が、加温により直径30 nm程度の均一なナノスフィアを形成することが明らかとなった。このナノスフィアは、分子設計により表面に任意の機能タンパク質を提示することが可能であり、内部は疎水性コアを形成するため、疎水性化合物を容易に内包することができる。これを利用してがん細胞への特異的送達を行うため、表面に分子認識機能を有する分子を提示し、内部には抗がん剤を包含したタンパク質ナノスフィアを構築した。これらタンパク質ナノスフィアは、がん細胞を特異的に認識することができ、がん細胞に到達後は内部の薬剤を放出し殺傷できることが明らかとなった。
|