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2014 年度 実績報告書

トランスジェニック技術を用いたインフルエンザワクチンの効率的生産

研究課題

研究課題/領域番号 26289312
研究機関名古屋大学

研究代表者

飯島 信司  名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00168056)

研究分担者 小野 悦郎  九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00160903)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードトランスジェニックニワトリ / インフル / シアル酸 / リコンビナーゼ
研究実績の概要

卵中のシアル酸糖鎖を、ヒトインフル受容体として機能するα2,3 結合からα2,6結合型に改変し、インフルワクチンの生産性の向上をめざしトランスジェニックニワトリの作製を開始した。α2,6結合型含有糖鎖を生合成するα2,6シアル酸転移酵素をニワトリ個体全体で発現させると、α2,6シアル酸含有糖鎖を受容体とするヒトインフルが感染する恐れがある。そこで、GFP遺伝子をプロモーター下流に挿入し、そのままでは酵素が生産できないトランスジェニックニワトリを作製し、一方リコンビナーゼを有するニワトリとかけあわせ受精卵でのみリコンビナーゼによりGFP部分が除かれ活性酵素ができるよう工夫した。平成26年度は強力なプロモータであるCMVプロモーター制御下でリコンビナーゼの一種phiC31が発現するよう配置したレトロウイルスベクター、及びアクチンプロモーターでα2,6シアル酸転移酵素を発現するもののプロモーターと酵素遺伝子の間にリコンビネーションのターゲット配列で囲ったGFP遺伝子を挿入し酵素が生産されないベクターを構築し、前者を5回、後者を2回ニワトリ胚に導入した。前者の場合、ベクター又はリコンビナーゼの発現によりニワトリが死んだため、毒性を下げるためウイルスの純度改善、タイターの低下によるphiC31の毒性の回避などトランスジェニックニワトリ作製の条件を決定している。一方、インフル耐性のメカニズム解析のため、その候補であるニワトリIFITM 1,3,10遺伝子をクローン化し塩基配列、ドメイン構造を解析するとともに、その抗ウイルス性の解析を開始した。さらに卵中シアル酸の結合様式を支配するシアル酸合成酵素を特定するため、種々のシアル酸転移酵素をクローン化した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

トランスジェニックニワトリ作製のためのウイルスコンストラクトの完成とその生産、さらにこれを用いたニワトリ個体への遺伝子導入等全体的にほぼ計画通りに研究が進展していると考えられる。トランスジェニックニワトリ取得には至っていないが、ウイルスベクターが多重感染した初代キメラの作製条件等の検討も進んでおり、最大の難関であるトランスジェニック子孫の取得に向かってほぼ予定通り研究を進めている。また、抗ウイルスタンパクであるIFITMの解析も予定通りである。

今後の研究の推進方策

トランスジェニック子孫を得るためにはニワトリの掛け合わせ実験等多大な労力と時間を要する。この点を克服するためには掛け合わせの親となるキメラニワトリの品質が重要で、ウイルスベクターが多重感染した親を用いればトランスジェニック子孫の取得が効率化され、時間や労力の削減につながる。現在このような観点からウイルスの純度改善、phiCリコンビナーゼの発現の最適化等の基礎検討を行っており、これによりトランスジェニックニワトリ取得という難関を越えたいと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] ニワトリシアル酸糖転移酵素の解析2014

    • 著者名/発表者名
      奥嵜 雄也 小島 祐介 水谷 昭文 西島 謙一 金岡 英徳 三宅 克英 飯島 信司
    • 学会等名
      第66回日本生物工学会大会(ロイトン札幌)
    • 発表場所
      (ロイトン札幌)
    • 年月日
      2014-09-09 – 2014-09-11

URL: 

公開日: 2016-06-01  

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