研究課題
広範な宇宙環境での材料劣化現象を地上シミュレーションするには、これまでの原子状酸素のみの試験ではなく、異なるエネルギーで同時衝突する重元素を含んだ分子衝突を再現できるシミュレーション技術が必要である。さらに実宇宙環境を完全には再現できない現状では、地上試験環境で定量性を担保するには表面科学をベースにした原理的な理解が不可欠となる。本申請では、①世界初となる非熱平衡混合原子・分子ビームを発生させる技術開発、②放射光などの先進表面分析の導入による複雑反応系における化学反応メカニズム解明と定量推定精度向上、さらに、③衛星搭載用センサーとその地上キャリブレーション法を同時開発することによる超小型衛星等を用いた高信頼性日本型非回収宇宙材料曝露試験法の確立を目指す。これらにより、世界に先駆けてサイエンスに立脚した広範な宇宙環境に適用可能な軌道上曝露試験の基盤技術を確立することを目標としている。研究初年度である平成26年度には多成分ビームを形成するためにPSVへ任意の組成の混合ガスを供給可能な高精度ガス混合器を新たに導入し、その動作確認とオペレーション条件の最適化を行い、27年度には各種条件でMAPMix9000システムを実際に運用し、形成されたビームのチャラクタリゼーション結果から安定性評価と運用条件の最適化を行った。28年度には混合プラズマからのEUV測定を行い、EUV抑制する方法について考察を行った。平成29年度は単一ノズルから複数のビームを形成する技術実証、ノズル形状によるビーム組成変更技術の確立を行った。平成30年度は平成29年度に引き続き単一ノズルから複数のビームを形成する技術実証、ノズル形状によるビーム組成変更技術を確立し、これまで困難であったレーザーデトネーションによる分子解離抑制技術の獲得と多成分ビームの形成技術を確立した。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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