小惑星や彗星等の小天体まわりの軌道は,太陽光圧・重力ポテンシャル・太陽潮汐力等の強い摂動を受けるため,強摂動軌道は小天体探査を計画する際に欠かせない工学課題である.本研究は,深宇宙探査で世界的な成果を上げたはやぶさ・IKAROSの運用データを用い,摂動を積極的に利用する軌道設計・誘導・航法手法の体系的な案出・解析を行った.代表的な成果として①摂動を介した姿勢と軌道の相互作用を利用した新姿勢制御法,②能動加速を1回許容することで格段に運用性・安定性のよくなる小天体周回軌道設計法,③小天体相対画像航法のためのデータベースの開発等について,近い将来実ミッションに適用可能なレベルで実現する目処を得た.
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