研究課題
1.輻射モデルの総合検証と改善FY27 より進めてきた CO2 と CO の赤外スペクトルモデルの検証および改善を,FY27 までに整備した極短時間赤外分光システム,および高速衝撃波管の膨張波管モードを用いて,模型を試験気流に暴露し,模型周りの赤外分光スペクトル分布を取得することによって行った.CO2 と CO の赤外回転振動スペクトルについては,地道な文献調査等によって,現時点で世界で最も正確と考えられるスペクトルデータベースを構築し,実験との一致も従来の 50% 程度から 90% 以上への大幅な改善を達成することができた.一方,火星大気突入環境を模擬した試験気流中に暴露された模型周りの赤外スペクトル分布を取得したのは世界初の成果である.これらの成果を,2017 年 1 月の米国航空宇宙学会・年会において報告した際には,大変高い関心を集め,活発な議論が行われた.上記の成果によって,火星大気突入カプセル周りの輻射加熱,特に背面の赤外輻射加熱率の予測精度は,計画当初に設定した誤差 20% 以内を大幅に超えて達成できた.2.ミッション概念設計への応用将来の火星探査ミッションを想定し,大気突入カプセル周りの輻射環境を上記の改善された輻射予測手法によって再評価したところ,特に赤外輻射加熱率が主導的となる背面エアロシェルにおいて,50 %近い熱防御システムの重量低減が可能となる予測が得られた.これによって 900 kg の火星大気突入システム(ローバを着陸させるシステム)を想定する場合,火星地表へ運搬可能な重量を 22 kg,およそ理学観測機器2つを新たに追加することが可能とな,大きな成果であるといえる.3.成果とりまとめ以上の成果を取りまとめ,国内会議,国際会議において広く紹介するとともに,学術雑誌へ成果の投稿を行った.このうち幾つかについては,既に掲載が決定されている.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 8件、 招待講演 1件)
Acts Astronautica
巻: 136 ページ: 407-420
10.1016/j.actaastro.2017.04.001
Journal of Thermophysics and Heat Transfer
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
To be determined