研究課題
(a)展開型ハニカム平面スロットアレイアンテナの研究:軌道上のアンテナパネルの温度分布の解析を行い、熱歪の少ない温度分布になるように熱設計を行った。その熱数学モデルの妥当性を検証するために、アンテナパネルの熱モデルを用いて、熱真空試験を実施した。それらの結果、軌道上におけるアンテナパネルの熱歪による面精度は、7枚のアンテナパネル(全長4.9mm)でおおよそ0.5mm rms に収まる見込みを得た。(b)送信波の電力合成器の研究:合成開口レーダの地上分解能1mに対応した、300MHz程度の帯域を持つ導波管共振器型の送信波電力合成器を設計し、試作品を用いてその特性を計測した。ネットワーク・アナライザを用いたRF特性の測定を行い、周波数帯域約280MHz、挿入損失0.5dB程度の電力合成器を試作できた。真空状態での大電力動作に伴う高周波放電の可能性を検討した結果、その危険性はすくないという判断を得た。ただし、確認のため真空での動作試験を準備している。(c)高速通信:ほどよし4号に搭載して軌道上実証した、64APSK変調方式の505Mbps送信機(シンボルレート100Msps)を発展させた、次世代の高速通信システムの検討を行った。送信機のシンボルレートを2倍以上高めた300Msps(可変)とし、右円偏波、左円偏波を独立の通信チャンネルにとる偏波多重システ ムが最適との結論を得た。デジタル部には民生の高速FPGA,及びDA変換器を用いる。RF部にはほどよし4号搭載の部品の類似品を採用する。搭載アンテナには、右旋円偏波と左旋円偏波の分離度が極めて高いセプタムポラライザとコルゲートホーンアンテナが最適と判断した。別予算である内閣府ImPACT経費を用いて、H28年度には、送信機と搭載アンテナの試作品を製造開始した。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
下記の論文にて「電子情報通信学会 論文賞」を受賞 2017.6.1授賞式渡邊宏弥, 深見友也, 齋藤宏文, 冨木淳史, 小島要, 新家隆広, 川元光一, 重田修, 布村仁志, “小型衛星搭載用の省電力高速送信機の開発, ” 電子情報通信学会和文論文誌B, Vol.J99-B, No.7, pp.535-543, 2016(Online ISSN: 1881-0209)
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IEEE TRANSACTIONS ON ANTENNAS AND PROPAGATION
巻: Vol. 65 ページ: 1558-2221
10.1109
巻: 64 ページ: 1661-1671
電子情報通信学会和文論文誌B
巻: Vol.J99-B, No.7 ページ: 535-543
http://www.isas.jaxa.jp/home/saito_hirobumi_lab/index.html