研究課題
超小型衛星システム技術を高度化する研究・開発として、4基のコントロールモーメントジャイロCMGをピラミッド配置した宇宙機の大角度姿勢変更において、ハードウエア特性を考慮し、計算時間を大幅に短縮した高速姿勢変更制御則を考案し、その有効性を数値シミュレーションで示した。また、単一のアクチュエータで3軸姿勢制御が可能な可変速2軸ジンバルCMGの逆運動学に基づいた駆動則を提案し、高精度で特異点回避/通過の判断が可能であることを数値シミュレーションにより示した。次に、超小型衛星搭載を目指した、低コスト多機能センサとして、深層学習を用いた地球姿勢センサの研究開発を実施した。可視光領域で撮影した画像を衛星オンボードで複数の物体に高精度で分類することが可能な、分解能要求に応じた識別器の設計と性能評価を行った。また、上記識別方法を利用し、低軌道における可視光画像を用いた3軸姿勢決定手法を提案した。そして、上記のセンサを実現するためのハードウエア設計と基本機能確認を行った。さらに、超小型衛星の通信性能を最大化する目的で、衛星の軌道・姿勢を考慮した、複数アンテナの最適配置を求めるシステムの構築、設計指針の提案、衛星のドップラシフト・信号レベルの変動を無線信号で再現するシミュレータ開発を行い、有効性を示した。可変形状宇宙システムの研究として、可変形状姿勢制御による迅速姿勢変更とその後の低擾乱な高精度指向制御に関して、角運動量基準による制御則、リアクションホイールを併用した制御則、最短時間最適制御則を提案し、各種性能を評価した。また、空気潤滑を用いた地上実験装置を整備し、駆動機構、ヒンジ、アーム、本体の挙動評価を行った。さらに、形状可変姿勢制御とこの方式を有効活用する科学ミッションである重力波天体の極紫外線計測の早期軌道実証を目指した超小型衛星システムの概念検討を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Transactions of the Japan Society for Aeronautical and Space Sciences
巻: 60 ページ: 109-115
http://doi.org/10.2322/tjsass.60.109