研究課題/領域番号 |
26289331
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研究機関 | 東京海洋大学 |
研究代表者 |
波津久 達也 東京海洋大学, 海洋科学技術研究科, 准教授 (60334554)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 船舶海洋流体力学 / 船体抵抗低減 / 気液二相流 |
研究実績の概要 |
本研究では、空気潤滑法による船舶抵抗低減技術の高度化に資する界面積濃度輸送モデルの開発を最終目的とし、外部流れの二相流局所流動パラメータに関するデータベースの構築と二相流界面構造の空間発達特性に関する解析的研究を、実験装置の準備を含め平成26年度から平成28年度の3カ年で実施する。初年度となる平成26年度は、外部流れの二相流を模擬した矩形ダクト内二相流実験装置の製作、二相流局所流動パラメータを高精度に取得するための計測系の整備および予備実験を行った。具体的な実施内容は以下のとおりである。 ・外部流れを模擬した矩形ダクト実験装置を製作した。テスト部は、未発達域から発達域までの空間発達特性を確認できるよう長さ3m以上とし、また、複数位置に気泡供給孔と可視化部を設けた。また、二相流の基本流動条件(圧力、温度、圧力損失、各相流量)を整理するための計器類の整備を行った。 ・発達状態にある二相流界面構造の時空間変化特性を詳細に観察するため、テスト部に高速度ビデオカメラを設置した。また、二相流の局所流動パラメータ(ボイド率分布、界面積濃度分布、気泡径分布)の測定するため、探針式プローブの製作を行った。さらに、気泡供給前後の抵抗低減効果を確認するため、半導体式せん断力計を用いた壁面せん断力計測手法の準備を行った。 ・製作された矩形ダクト内二相流ループの動作確認および計測装置の精度検証を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の実施目標(矩形ダクト内二相流実験装置の製作、計測系の整備、予備実験の実施)を年度内にほぼ達成できたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度に準備した矩形ダクト内実験装置と計測手法の改良を行うとともに、同装置内を流動する二相流の局所流動パラメータのデータベースを構築する。同時に、水槽内平板外表面二相流実験装置の製作と同装置を用いた予備実験を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成26年度に実施した予備実験結果から実験装置および計測手法の改良が必要と判断した。当該年度の残予算と時間の範囲で必要となる改良を十分実施できず、したがって、装置の準備に関わる予算の一部を繰り越した上で翌年度に実施することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度に実施した矩形ダクト内気液二相流の予備実験を踏まえ、二相流ループの配管系統の改良および探針式プローブによるデータ収録系の高度化を平成26年度からの繰り越し予算と平成27年度の予算の一部を使用して実施する。
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