国際核融合実験炉ITERでは第一壁やリミタ材料としてBeを、ダイバータ材料としてWを用いる。その準備のため、欧州の核融合プラズマ装置JETでBeとWを壁材とするITER-Like Wall実験が実施されているが、トリチウム(T)蓄積量は調べられていなかった。そこで我が国で開発されたT計測法を用い、同実験で使用されたW被覆ダイーバータタイルおよびBeタイル表面のT分布を測定した。Tの蓄積機構としてBe等との共堆積ならびに材料バルク中への打ち込みがあった。堆積層中のT濃度は以前の炭素時代と比べ低く、タイル側面への堆積層形成も低減されていた。これらの効果による真空容器中のT蓄積量の減少が期待された。
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