研究課題
θリズムの周期的同期化の振動発生源が味覚野内に存在する可能性が極めて高いが、その伝播先の胃腸関連領野の興奮が味覚野に何らかのフィードバック効果を与え、振動発生源の活動を修飾する可能性を検証するため、島皮質味覚野と胃腸関連領野の接合部付近の皮質全層を切断したスライス標本と皮質全層及びclaustrum まで切断した2種類のスライス標本を作製し、AEAを投与して、oscillationを観察した。その結果、味覚野では5 Hz、胃腸関連領野では1~3 Hzのoscillationが、それぞれ独立に観察されたが、皮質のみ切断したスライス標本では弱いcoherence が観察され、claustrum まで切断したスライス標本では、coherence は消滅した。この結果から、θリズムの生成部位は味覚野であることが確定し、フィードバック効果も顕著ではないことが明らかになった。さらに、島皮質胃腸関連領野はδリズムの振動発生源になり得ることも確定した。従って、島皮質はδとθの異なるリズムで活動し得ることが明らかになったが、このリズムの切り替えがどのような機能的意味をもつのかを明らかにするため、全動物標本を用いた実験を遂行した。GPR119 KO マウスでは、AEAの投与なしに、自発的な島皮質味覚野と胃腸関連領野間の周期的同期化が生じている可能性があり、そのリズムがδからθへの切り替わることも観察できることが期待されたので、GPR119 KO マウスを導入し、徹底した衛生管理下でin-vivo 実験に再挑戦したが、結局、原因不明の肝炎のため十分に実験を遂行することができなかった。一方で、GPR119 KO マウスを用いず、対照群のみで、リズムの切り替え現象が生じる条件の探索を行った。その結果、空腹時にはδリズム様の活動が胃腸関連領野及び味覚野で認められたが、確定的な結果は得られていない。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Frontiers in Cellular Neuroscience
巻: 12 ページ: 9: 1-15
10.3389/fncel.2018.00009
巻: 12 ページ: 113: 1-21
10.3389/fncel.2018.00113