研究課題
眼窩下神経切断後1日目からtonic inhibition がVPM細胞で増強することを見いだした。正常マウスに、GABAA受容体α4受容体サブユニットのアゴニストを注入し7日後には、VPM細胞への内側毛帯シナプスが多重支配を示し、tonic inhibitionが多重支配の誘導する分子である可能性が出てきた。そのため、ウイルスベクター遺伝子導入を用いて切断後のtonic inhibitionを抑えることにより、多重支配が部分的に回復することを見いだした。さらにこの例数を増やしデータの確立を目指す予定である。眼窩下神経由来(三叉神経第二枝由来PrV2)の内側毛帯線維がtdTomatoでラベルされた遺伝子改変マウスを作成し、そのマウスの眼窩下神経を切断することでVPMでの解剖学的解析法を行った。損傷後は本来PrV2由来のVPM部分に肩領域や三叉神経第三枝領域由来の内側毛帯線維が侵入し、その変化は多重支配の時間経過と一致している傾向にあるため現在研究を進めている。第三枝領域は全く侵襲を加えていない部位に、支配領域を超えた疼痛感覚が発生した(幻肢痛様現象)ことを見いだした。現在、in vivo 実験系を立ち上げ、正常マウスの視床VPMの内側毛帯束を刺激し、大脳皮質での多チャンネル記録を立ち上げつつある。
2: おおむね順調に進展している
Krox20Creマウスが順調に搬入、繁殖できたこと、また東京大学・医学部・神経生理との共同研究でウイルス作製がスムーズに進み、ほぼ予定通りに研究が進んでいる。in vivoの実験系、チャネルロドプシンの実験は一からの立ち上げであり、時間を要する。
in vivoの実験系、チャネルロドプシンの実験は一からの立ち上げを試みており、時間を要することが予想される。まず、krox20Creマウスとfloxのチャネルロドプシンマウスをかけあわせることにより、PrV2特異的に上行性線維とターミナルにチャネルロドプシンが十分発現するかを確かめる。その後、in vivoで光刺激をし、神経活動を測定する。そのための実験系の立ち上げに相当時間を要することを見込んでいます。現在必要な遺伝子改変マウスは搬入ずみである。in vivoで確認した後、スライス実験での光刺激を試みる。
optogeneticsのチャネルロドプシン脳内発現量の確認が動物の繁殖の影響で遅れたため、発現量の確認ができず、レーザーやその周辺のものを選定に時間を要するため。
現在、チャネルロドプシンが充分量の発現を確認できたため、レーザー等のセットアップを用意している。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 6件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 6件) 学会発表 (12件) (うち招待講演 4件)
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