研究課題
体性感覚・痛覚情報の皮質での身体表現の変容過程を観察するため、前年度に内因性シグナルを用いたin vivoイメージングシステムを立ち上げ、マウスのヒゲ感覚神経損傷により,ヒゲ触覚刺激で、体性感覚野の近傍にある大脳皮質のdysgranular領域が活性化することを観察した。この領域が、痛覚受容に関連した領域であることを証明するため、疼痛誘発物質であるカプサイシンをヒゲパッドに注射し、大脳皮質の当該領域が活性化するのかを神経活動の活性化マーカーであるc-Fosの発現により調べた。その結果、dysgranular領域の第4層でc-Fosの発現が上昇していることが分かった。このことはヒゲ感覚神経損傷によって活性化するdysgranular領域が痛覚受容に関与していることを示している。また、感覚入力の失われた経路の中枢側がどのように変化するのかを経時的に観察するため、三叉神経主知覚核とその求心性線維である内側毛帯線維にChR2を発現したマウスを作成し、in vivoにおいて内側毛帯線維を選択的に光刺激することで、末梢神経損傷時に大脳皮質においてヒゲ感覚領域がどのように変化・退縮するのかを観察した。従来は、ヒゲ感覚領域を損傷すると大脳皮質ヒゲ感覚領域(バレル皮質)の活動は低下し、領域が縮小すると考えられていた。しかし、実験結果では、ヒゲ感覚領域の退縮は観察されず、活動が維持されていることが分かった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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eNeuro
巻: 4 ページ: -
https://doi.org/10.1523/ENEURO.0345-16.2017
Neuron
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