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2015 年度 実績報告書

左右協調運動を司る脊髄内交差型神経細胞の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 26290013
研究機関大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設)

研究代表者

東島 眞一  大学共同利用機関法人自然科学研究機構(岡崎共通研究施設), 岡崎統合バイオサイエンスセンター, 准教授 (80270479)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードゼブラフィッシュ / リズム運動 / 左右協調 / 脊髄
研究実績の概要

脊髄内d6交差型抑制性介在ニューロン, V0交差型抑制性介在ニューロンが、遊泳運動の体の動きの左右相反抑制に関わるニューロンであることを明らかにすることが本年度の大きな目標であった。昨年度までの実験で、すでにこれらのニューロンが、遊泳運動中に同側の運動ニューロンと同期して発火することを見いだしている。これら抑制性ニューロン群の発火が、反対側の運動ニューロン、およびその活動を正に制御する介在ニューロンを抑制していることを示すために、以下の実験を行った。
d6交差型抑制性介在ニューロン、および、V0交差型抑制性介在ニューロンに、チャネルロドプシンを発現させた。そして、その幼魚に対し、運動ニューロン、および各種の介在ニューロンから電気生理学記録を行った。短時間の光刺激を与えてチャネルロドプシン発現ニューロンを一過的に発火させ、電気生理学記録を行っているニューロンに、IPSP(抑制性後シナプス電位)が見られるかどうかを検討した。その結果、d6交差型抑制性介在ニューロン、V0交差型抑制性介在ニューロンのどちらを発火させた場合においても、運動ニューロンやさまざまなタイプの介在ニューロンに、光刺激のタイミングに時間ロックしたIPSPが見られることが明らかとなった。この結果は、d6交差型抑制性介在ニューロン, V0交差型抑制性介在ニューロンが、遊泳運動の体の動きの左右相反抑制に関わることを強く示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

左右相反抑制に関わる交差型抑制性介在ニューロンの同定に成功したため。

今後の研究の推進方策

今後は、d6交差型抑制性介在ニューロンの重要性をより直接的に示すことに重点をおいて研究を進める。具体的には、以下の実験を行う。脊髄内d6交差型抑制性介在ニューロンをジフテリア毒素によって除去し、得られた魚の表現型を調べる。左右相反抑制が完全に消失している場合、遊泳運動の際に、左右の筋肉が両収縮してしまうことが期待される。このような表現型を示すかどうかを、ハイスピードカメラによる行動の観察、および、左右両側の筋肉細胞からの膜電位イメージングを行うことにより検討する。

次年度使用額が生じた理由

本年度までは、おおむね順調に研究が進展している。最終年度となる平成28年度は、成果をとりまとめて、国際学会へ発表、および、国際雑誌への論文投稿を計画している。そのために、次年度使用額として研究費を残している。

次年度使用額の使用計画

実験の遂行、国際学会へ発表(旅費)、国際雑誌への論文投稿、など。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] A 3d-searchable database of transgenic zebrafish Gal4 and Cre lines for functional neuroanatomy studies.2015

    • 著者名/発表者名
      Marquart, G.D., Tabor, K.M., Brown, M.R., Strykowski, J.L., LaFave, M.C., Varshney, G.K., Mueller, T., Burgess, S.M., Higashijima, S., and Burgess, H.A.
    • 雑誌名

      Frontiers in Neural Circuits

      巻: 9 ページ: 78

    • DOI

      10.3389/fncir.2015.00078. eCollection 2015

    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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