本研究は、神経回路形成因子LOTUSの生理機能を利用した神経再生治療法の創成を目的とする。LOTUSの細胞機能としては、LOTUSはNogo受容体の5種のリガンド分子により惹起される神経突起伸長阻害に対して完全な拮抗作用を有することが判明した。また、脊髄損傷モデル動物におけるLOTUSの機能としては、げっ歯類が有する脊髄損傷後の自発的な神経再生能がLOTUS遺伝子欠損マウスでは殆ど見られず、逆にLOTUS過剰発現マウスは脊髄損傷後の運動機能回復が野生型マウスに比して有意に上昇していたことから、LOTUSは神経再生の内在性促進物質であることが明らかになった。
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