養育放棄は深刻な社会問題である。養育放棄により子供は親や他の子供との接触を失い、社会的に隔離された状況に置かれる。このような体験は様々な精神疾患を引き越し、脳内回路形成に影響を及ぼしていると考えられているが、その分子メカニズムは不明である。本研究では幼若期の社会的隔離が、社会行動の中枢である内側前頭前野(medial prefrontal cortex;mPFC)スパイン内部でのcofilin活性を抑制し、アクチン線維流動性の低下およびAMPA受容体のシナプス移行性障害を引き起こすことを発見し、その結果mPFC依存的な社会行動異常が誘導されることを明らかにした。
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