研究実績の概要 |
①本研究により以下の系統を樹立した。NOG-hG-CSF KI, NOG-FcRg KO, NOG-hTPO KI, NOG-hM-CSF Tg, NOG-HLA-A11,-24, HLA-DR0901,-1202, NOG-hIL-7 Tg, NOG-pRORgt-gcTg, NOG-hCXCL13Tg, NOG-IL-4/IL-13Tg, NOG-TSLP/IL-13Tg, NOG-hCD47Tg, NOG-mIL-7Ra KO (以上15系統) ②リンパ節起始細胞(LTi)の分化を調節する ROR-gt遺伝子の下流にgc遺伝子を配置したBAC Tgマウスを作製した。ヒト造血幹細胞の移植により著明な腸管リンパ節の肥大が認められ、コントロールのNOGマウスに比べて総T細胞数の増加が確認された。成熟B細胞数には有意差はなかった。本マウスの血清中の総IgM量はコントロールNOGマウスとTgマウスとで有意差はなかったが、総IgG量はTgマウスで有意な増加を確認した。このことは回復したリンパ節においてヒトB細胞が抗原非特異的な抗体のクラススイッチを誘導できることを示唆する。 ③食物アレルギーのモデル化のために、ヒト化IL-3/GM-CSFTg NOGマウスに抗BLG-IgEヒト型抗体を投与した後にBLG抗原を摂餌させ、受動型アレルギー反応を誘導する研究を行った。ヒト型抗BLG-IgE抗体クローンを投与した後に、BLGタンパクを経口投与すると直腸温の急激な低下が認められ受動型食物アレルギー反応が誘導された。 ④ヒトIL-6を産生するNOG-hIL-6Tgマウスを作製し、ヒト造血幹細胞の移植を行ったところヒト単球の増加が認められた。このマウスにヒト腫瘍細胞を移植することにより免疫抑制性ミエロイド細胞の分化が誘導でき、これらの細胞は免疫抑制機能を持つことを示した。
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