研究課題/領域番号 |
26290053
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
青木 一洋 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80511427)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | イメージング / レポーター |
研究実績の概要 |
本年度は、まずERK、Akt、細胞周期のレポーター、そして画像解析用の各マーカーを生きた細胞で同時に、かつ定量的に測定することができるレポータープラスミドを開発した。これはP2Aペプチドを用いて、1つのプラスミドで4つのレポーターを同時に発現するプラスミドであり、4つのレポーターがほぼ同じ量で発現される。これらのレポーターが全て正常に切断されていることは確認している。この4レポーターをPiggyBacトランスポゾンによりKRas変異癌細胞株A549細胞、及びBRaf変異癌細胞株A375細胞に安定的に発現させた安定細胞株を樹立した。また、この4レポーター以外にもさらに4つの分子活性や遺伝子発現を可視化するレポーターを作製中である。 次に、これらのレポーターを発現した細胞をタイムラプスイメージングを行ったときに必要となる画像解析のプログラムを作成した。これに関しては、MatlabとFiji(ImageJ)のプラグインを組み合わせることで蛍光の漏れこみをLinear unmixingで補正し、トラッキングと定量を効率よく処理することができるプログラムの作製に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画書に記述した事柄については全て順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、既存の4レポーター以外にさらに4つのレポーターを開発する。このターゲットとなるシグナル伝達分子については現在検討中である。また遺伝子発現を可視化するレポーターもほぼ完成しており、この機能確認を行う。実験条件に関しては、コントロールに加えて、MEK阻害薬やPI3K阻害薬などを単剤処理、もしくは併用処理したときのシグナル伝達分子の活性変化をとらえる。合計8つの蛍光を生細胞からタイムラプスイメージングにより取得し、時系列解析を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
本年度はレポーター構築とその性能評価のための消耗品購入に補助金を使用したため、基金助成金の分はそれほど使う必要性がなくなったため。
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次年度使用額の使用計画 |
来年度以降は本年度と同様に主に物品費(消耗品)の購入に使用する予定である。
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