研究課題/領域番号 |
26290063
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研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
清澤 秀孔 高知大学, 医学部, 特任准教授 (30295422)
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研究分担者 |
近藤 伸二 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 大学共同利用機関等の部局等, 准教授 (30415161)
加藤 英政 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (50292123)
栄徳 勝光 高知大学, 教育研究部医療学系連携医学部門, 助教 (50552733)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ゲノム刷り込み / トランスクリプトーム / エピジェネティクス / 幹細胞 / 神経分化 |
研究実績の概要 |
ゲノム刷り込みは母親と父親由来のどちらか片方のみの対立遺伝子が発現する現象(モノアレル発現)である。本申請では神経細胞特異的に刷り込みを受けるゲノム領域の特定を試みるため、in vitroでES細胞を神経細胞へ分化させ、その過程でのトランスクリプトーム解析を行う。母親由来と父親由来の染色体を区別する為にMSM/Ms(MSM)とC57BL/6(B6)間の亜種間雑種ES細胞を用いる。ES細胞はMSM(母親)とB6(父親)のF1胚盤胞から作製したES細胞(MB-ES細胞)と、母親と父親の組み合わせを逆にした亜種間雑種ES細胞(BM-ES細胞)の2種類である。配列解析に際しては、非コードRNAや内在性アンチセンス転写も含めた包括的なトランスクリプトーム解析を行い、エピゲノム情報との相関も解析する。
MB-ES細胞とBM-ES細胞のin vitro分化系のサンプルから得られたRNA-seqの配列解析を行い、分化段階特異的なゲノム刷り込み遺伝子を同定した。同時に親由来の染色体によらなく、亜種特異的なタイプのモノアレル発現がゲノム刷り込みタイプのモノアレル発現より一桁多く同定された。RNA-seqは通常のポリA鎖を有するRNA(通常のmRNA)と共にポリA鎖を持たない全RNAでも行い、配列解析にあたっては両者のRNA-seqデータを用いて行った。通常のmRNAのRNA-seqのみでは同定されない転写単位も同定された。
非コードRNAと予想される長鎖アンチセンスRNAはポリA鎖を有しないRNA-seqで顕著に検出されたり、また転写単位が通常の遺伝子のようにきっちりと同定できない場合も多い。このような非コードRNAのより正確な転写単位同定を試みるため、転写開始点解析(TSS-seq)及び、転写されているユニットのエピジェネティックなマーカーであるH3K36me3のChIP-seqを行った。現在、RNA-seqのデータを合わせて解析中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
MB-ES細胞及びBM-ES細胞をin vitroで神経細胞へ分化させた4タイムポイントのRNA-seqデータ解析はほぼ終了しており、神経細胞特異的なゲノム刷り込みが見られる遺伝子座、ポリA鎖を有しない非コードRNAが優位な遺伝子座、アンチセンスRNAによる発現制御の可能性がある遺伝子座などを同定した。
iPS細胞作製はBM/MBの組み合わせ共に数株を樹立し、現在、神経分化系の調整をしているところである。PolIIのChIP条件検討は終了し、更にH3K36のChIPも終了しNGS解析をするのみとなっている。TSS-seq自体も終了し情報科学的解析中である。
上記のようにおおむね、予定より早く進行しており順調である。
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今後の研究の推進方策 |
in vitro 分化系のRNA-seqデータとTSS解析データ、及びChIP-seqのデータを統合的に解析することにより、神経細胞特異的なゲノム刷り込みの様相とエピジェネティックなマークとの関連、及び非コード/アンチセンスRNA発現の係わりとの関連の解析を試みる。
また、樹立したiPS細胞でin vitroで神経細胞を(ES細胞で行ったのと同様の方法で)作製し、アレルの区別、センス鎖・アンチセンス鎖発現の区別、ポリA鎖を有しないRNAを含めた総合的な転写、エピジェネティックなマークなども含め、包括的にES細胞由来の神経細胞と比較し、ES細胞/iPS細胞の同等性の検証を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
論文投稿を行っている最中で有り、英文校閲、投稿費などが次年度にづれこむため。
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次年度使用額の使用計画 |
主に現在準備中、投稿中の英文校閲、投稿費に用いる。
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