本研究を通じて,わが国の在来馬保存に関する自然科学的ならびに社会科学的知見が得られた。得られた知見を在来馬保存に関わる人々と共有したことで,その保存活動が推進できた。 在来馬保存に関する自然科学的知見として,それぞれの遺伝的多様性評価が可能となった。これに加え,在来馬の繁殖学的知見も得られた。在来馬保存に関する社会科学的知見として,各ステークホルダーの関係を明らかにできた。ここで,在来馬を保存するには,生物学的な馬としてだけでなく,社会的存在としての在来馬を考える必要があることが明らかになった。
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