研究課題
UV照射後のPol II のユビキチン化を詳細に解析するためユビキチン化経路に関わるいくつかの阻害因子で細胞を処理したところ、幾つかの阻害剤によりGG-NERは正常だったがTC-NERが減弱した。またsiRNAによるノックダウンの解析では、ある種のE3リガーゼ複合体がPol IIのユビキチン化に関わることが判明した。UVSSAはpolIIのユビキチン化に関与していると考えられ、幾つかのドメインの変異体を作成し、解析をおこなっている。Pol IIはUVSSA非存在化では迅速に分解されるが、幾つかの変異体ではC32R変異体と同様にPol IIの分解速度の回復はできなかった。一方、UVSSAの機能解明の糸口として、UVSSAタンパク質の結晶構造解析に挑んでいる。UVSSAは非常に不溶性であるため精製が困難であったが、これまでに本研究においてUVSSAの精製に必要な幾つかの条件を決定した。現在、結晶化に向けた全長UVSSAの精製を進めている。
2: おおむね順調に進展している
UVSSAがPol IIの分解サイクルに重要であるという新たな証拠を同定した。UVSSAタンパク質は本研究を開始した時点では精製すること自体が困難であったが、現在時点では結晶構造解析に向けて大量精製出来る段階にまで進展している。
UVSSA依存的に起こるUV照射後のPol IIのユビキチン化サイトをLC/MS/MSを用いて直接同定する。ユビキチン化Pol IIの量が少ないため修飾部位の同定が難しいが、サンプル調整方法を改良して行う。また、UVSSAをノックアウトしたHCT116細胞からユビキチン化ペプチドを単離・濃縮して行うSILAC解析(ユビキトーム解析)により、Pol IIのユビキチン化におけるUVSSAの作用機序を明らかにしていく。
本年度は、結晶構造解析と生化学実験の改良を行ったが、共同研究等を活用し、予定していたより安価に実施できた事から、事前に予定していた研究費を次年度に繰り越し、さらなる条件検討を実施するための消耗品費として使用する事とした。
UVSSAによるRNA polⅡoのユビキチン化反応の調査を引き続き実施するための消耗品費として使用する。また、結晶構造解析に特化した精製条件を使用して、標的蛋白質を大量精製する。結晶構造解析のためのスクリーニングを実施するための、消耗品費用に充当する予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)
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