クロマチンの高次構造は、転写制御に重要な役割を果たしている。クロマチンはセントロメアやテロメア近傍のヘテロクロマチンとそれ以外のユークロマチンに大別できる。私達はATF2ファミリー転写因子の1つATF7が、ヒストンH3K9トリ及びジメチル化酵素を標的遺伝子に運ぶことにより、動物細胞のヘテロクロマチン形成に関与すること、ATF7がストレスよりp38でリン酸化されるとヘテロクロマチンが壊れ、転写が誘導されること、この影響は長期間持続することを見出した。このようにATF7は、ストレスによるクロマチンの高次構造の制御に重要な役割を果たすことが示された。
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