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2014 年度 実績報告書

V1モーターの構造形成と機能制御の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 26291009
研究機関千葉大学

研究代表者

村田 武士  千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80415322)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードV-ATPase / 分子モーター / 構造解析
研究実績の概要

1:AサブユニットのX線結晶構造解析---ヌクレオチド非結合型Aサブユニットの結晶構造を分解能2.5 Aで決定した。またソーキング法により過剰量のAMP-PNPを含む結晶化溶液を作製し、この結晶に長時間ソーキングした。結晶を回収し、シンクロトロン放射光を使って回折データを収集し、分解能2.7 Aで結晶構造を明らかにした。しかし得られた結晶構造にはAMP-PNPが結合していなかった。現在、共結晶化を試みている。
2:BサブユニットのX線結晶構造解析---以前の研究により、3.5 A 分解能でBサブユニット結晶のデータ収集に成功している。本年度は、X線結晶構造解析を進め、V1複合体のBサブユニット部分との分子置換法を検討し、その位相決定に成功した。現在X線結晶構造解析を継続している。
3:A1B1複合体のX線結晶構造解析--- A3B3複合体のリングを強固にしていると考えられるN末βバレル部位に変異を導入し、解離しやすい複合体を作製した。この変異体を用いて過剰量のAMP-PNP存在下で結晶化を行い、A1B1複合体と予想されるサンプルの結晶を得ることに成功した。現在構造解析を進めている。
4:変異A3B3複合体の作製及び機能構造解析--- A3B3複合体の構造形成に重要と考えられるBサブユニットのアルギニンフィンガーと呼ばれる残基(R350)に関して、部位特異的変異導入を行い、3種類の変異体を大量に精製した。現在、結晶化スクリーニングを行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初計画通り、Aサブユニットの結晶構造の決定、Bサブユニットの位相決定、A1B1の結晶化、A3B3複合体の変異体作製に成功している。このため予定通り順調に進展していると考えている。

今後の研究の推進方策

当初計画に従って、各研究項目を継続する。ソーキング法で得ることが難しかったヌクレオチド結合型Aサブユニットについては、共結晶化法を試みる。

次年度使用額が生じた理由

当初計画では水谷健二博士の雇用を予定していたが、本研究費が減額となり、年間を通じた雇用ができなかった。その代わりに年度後半から鈴木七緒博士を雇用したため次年度使用額が生じた。これによる研究の遅れは生じなかった。

次年度使用額の使用計画

次年度の鈴木花野博士の人件費として使用する予定である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 4件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 3件)

  • [雑誌論文] Rotational mechanism of Enterococcus hirae V1-ATPase by crystal-structure and single-molecule analyses2015

    • 著者名/発表者名
      Ryota Iino, Hiroshi Ueno, Yoshihiro Minagawa, Kano Suzuki, Takeshi Murata
    • 雑誌名

      Curr. Opin. Struc. Biol.

      巻: 31 ページ: 49-56

    • DOI

      doi:10.1016/j.sbi.2015.02.013

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Infrared spectroscopic studies on the V-ATPase2015

    • 著者名/発表者名
      Hideki Kandori, Yuji Furutani and Takeshi Murata
    • 雑誌名

      Biochim. Biophys. Acta

      巻: 1847 ページ: 134-141

    • DOI

      doi:10.1016/j.bbabio.2014.07.020

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Torque generation of Enterococcus hirae V-ATPase2014

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Ueno, Yoshihiro Minagawa, Mayu Hara, Suhaila Rahman, Ichiro Yamato, Eiro Muneyuki, Hiroyuki Noji, Takeshi Murata and Ryota Iino
    • 雑誌名

      J. Biol. Chem.

      巻: 289 ページ: 31212-31223

    • DOI

      doi: 10.1074/jbc.M114.598177

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Molecular Structure and Rotary Dynamics of Enterococcus hirae V1-ATPase2014

    • 著者名/発表者名
      Ryota Iino, Yoshihiro Minagawa, Hiroshi Ueno, Maya Hara and Takeshi Murata
    • 雑誌名

      IUBMB Life

      巻: 66 ページ: 624-630

    • DOI

      DOI 10.1002/iub.1311

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 膜超分子モーター(V-ATPase)の分子メカニズム2014

    • 著者名/発表者名
      村田武士
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 32 ページ: 1623-1626

  • [雑誌論文] 非対称結晶構造からみえてきたV1-ATPaseの回転メカニズム2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木花野、村田武士
    • 雑誌名

      医学のあゆみ

      巻: 249 ページ: 551-552

  • [学会発表] ヒト膜タンパク質の大量発現・精製・結晶化の技術開発2014

    • 著者名/発表者名
      村田 武士
    • 学会等名
      平成26年度日本結晶学会年会
    • 発表場所
      東京大学農学部 弥生講堂・一条ホール
    • 年月日
      2014-11-03 – 2014-11-03
    • 招待講演
  • [学会発表] Crystallization methods of membrane proteins2014

    • 著者名/発表者名
      村田 武士
    • 学会等名
      第52回日本生物物理学会
    • 発表場所
      札幌コンベンションセンター
    • 年月日
      2014-09-25 – 2014-09-25
    • 招待講演
  • [学会発表] 相関構造解析によるV1モーターの回転メカニズム2014

    • 著者名/発表者名
      村田 武士
    • 学会等名
      第14回蛋白質科学会
    • 発表場所
      ワークピア横浜/横浜産貿ホール
    • 年月日
      2014-06-25 – 2014-06-25
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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