研究課題
「研究の目的」,「研究実施計画」に沿って幾つかの興味ある知見が得られた.目的・計画Ⅰ-1(新規ジアシルグリセロール(DG)代謝経路の探索・同定):1.まずDGキナーゼ(DGK)α,δとηが1,2-DGに加え,2-モノアシルグリセロール(MG)をリン酸化することを明らかにし,また,興味あることに,DGKθはDGKα,δ,ηとは異なり,1-MGをリン酸化するユニークなアイソザイムであることが明らかになった(BBA 2016).2.DGKζは神経細胞分化時に16:0/16:0-DGを選択的にリン酸化することを明らかにした(Biochem. Biophys. Rep. 2016a).3.異なるDG分子種が異なるプロテインキナーゼCアイゾザイムを異なる強さで活性化することを示した(Biochem. Biophys. Rep. 2016b).4.新たなホスファチジルコリン特異的ホスホリパーゼの測定法を確立した(Anal. Biochem. 2017).目的・計画Ⅰ-2(新規DG代謝経路の生理機能・調節機能): 1.脳特異的DGKδノックアウトマウスを作製し,強迫性障害様の表現型を示すことを明らかにした(Brain Res. 2016). 2.ミリスチン酸(14:0)がDGKδ(2型糖尿病と連関する)の発現量を増加させる(倍増)ことによって筋細胞の糖取り込み能を亢進することを見出した(Lipids 2016).3. DGKη-KOマウスはGSK3βのリン酸化の低下を通じ双極性障害の躁状態に類似する表現型を示すことを明らかにした(J. Neurochem. 2016).4. DGKηには新たな精巣特異的選択的スプライス散文都賀有ることを報告した(PLOS ONE 2016).4. 18:1/18:1-ホスファチジン酸がαシヌクレインの凝集を強く促進することが明らかになった(FEBS Lett. 2017).目的・計画Ⅱ(DGKアイソザイム特異的な活性制御剤の開発):1. DGKα特異的阻害剤は,肝細胞がん,子宮頸がん,メラノーマ細胞の死滅を誘導し,逆にT細胞では活性化することを明らかにした(J. Lipid. Res. 2016).
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 謝辞記載あり 10件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 備考 (1件) 産業財産権 (2件)
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