ジアシルグリセロール(DG)キナーゼ(DGK)には10種のアイソザイムが存在する.それらの生理機能はこれまで殆ど不明だったが,最近申請者らは,DGKアイソザイムそれぞれが,多様なシグナル伝達系を決定的に制御し,難治病態形成において重要な役割を担う可能性を示した.そこで,(1)DGK各アイソザイムが形成する「新規DG代謝経路」の探索・実体同定と(2)その生理機能と制御機構の解明することを計画した.その結果,DGKα,δ,ηとζが形成する「新規DG代謝経路」とそれらの生理病理機能(例えば,がん,免疫,双極性障害,強迫性障害,パーキンソン病等)に関して興味ある知見が得られた.
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