研究課題/領域番号 |
26291019
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研究機関 | 福井大学 |
研究代表者 |
竹内 綾子 福井大学, 医学部, 特命助教 (00378704)
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研究分担者 |
天野 晃 立命館大学, 生命科学部, 教授 (60252491)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ミトコンドリア / 筋小胞体 / 心室筋細胞 / 心房筋細胞 |
研究実績の概要 |
心筋細胞におけるミトコンドリア―筋小胞体三次元Caクロストークの分子メカニズムとその生理的意義を解明することを目的として、平成26年度は以下の検討を行った。 ミトコンドリアNa-Ca交換輸送体NCLXと、筋小胞体CaポンプSERCAの構造的なクロストークを調べるために、タンパク質断片コンプリメンテーション法を行った。蛍光タンパク断片と融合したNCLXとSERCAをHEK293細胞に共発現させたところ、NCLX-SERCA1、NCLX-SERCA2A、NCLX-SERCA2B、NCLX-SERCA3いずれの組み合わせでも強い蛍光が観察され、NCLXとSERCAがHEK293細胞では近傍に局在することが示唆された。一方、細胞膜NCX1とNCLXの組み合わせでは、蛍光シグナルは観察されなかった。 心房筋の電子顕微鏡像を取得し、ミトコンドリア、筋小胞体の面積比を得たところ、それぞれ約17%、5%だった。また、筋小胞体の約40%がミトコンドリアと近接していた。 詳細なミトコンドリアモデルエネルギー代謝モデルを構築した。簡易心筋細胞モデルと連結させて、シミュレーション解析を行った。 以上の成果を学会発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学会発表ができ、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、平成26年度に引き続き、ミトコンドリア―筋小胞体の機能的・構造的クロストーク解析を進める。また、平成26年度に得られたミトコンドリア―筋小胞体の構造的クロストークのデータをもとに、詳細な数理モデルのプロトタイプを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
ミトコンドリアNCLX―筋小胞体SERCAの構造的クロストークを調べるために、当初、proximity ligation assayを行う予定であった。しかし、proximity ligation assayにはコストがかかるため、HEK293細胞を用いた、より簡便で安価なタンパク質断片コンプリメンテーション法によって、相互作用しそうな組み合わせのスクリーニングを行った。
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次年度使用額の使用計画 |
平成26年度には、検討した全てのSERCAサブタイプがNCLXの近傍に発現することが示唆された。そこで、心室筋細胞、心房筋細胞に多く発現するSERCA2について、新たに特異抗体を購入し、NCLXとのproximity ligation assayを行う予定である。
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