研究課題
心筋細胞におけるミトコンドリア-筋小胞体三次元Caクロストークの分子メカニズムとその生理的意義を解明することを目的として、平成28年度は以下の検討を行った。インタクトな心室筋細胞におけるミトコンドリアNa-Ca交換輸送体NCLXと筋小胞体CaポンプSERCA、筋小胞体CaチャネルRyRの構造的なクロストークを調べるために、proximity ligation assayを行った。その結果、NCLXとSERCA、NCLXとRyRのいずれも共局在のシグナルが得られなかった。平成27年度の超解像度顕微鏡(N-STORM)の解析では、NCLXはRyRよりもSERCAの近傍に局在するシグナルが得られた。これらの結果を考え合わせると、NCLXとSERCAはそれぞれミトコンドリアと筋小胞体の隣り合う面に局在するものの、proximity ligation assayで共局在のシグナルが得られるほど近傍には局在しないこと、おそらくはミトコンドリア外膜がその共局在を阻んでいることが示唆された。詳細なミトコンドリアエネルギー代謝数理モデルの解析から、仕事量増大時におけるエネルギー代謝産物安定性の新たなメカニズムを提唱した。すなわち、基質の組成によってミトコンドリアエネルギー代謝のCa依存性の寄与が異なること、これは、Caによる制御を受けるリンゴ酸-アスパラギン酸シャトルの寄与が基質組成に依存するためであることをモデルから導き出し、論文発表を行った。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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