細胞内において運動性の高い球状蛋白質などの機能,構造,相互作用,安定性を原子分解能で解析できるのがIn-cell NMR分光法である。この方法を発展させて運動性の低い生体膜の蛋白質構造や細胞質の蛋白質集合体構造を定量的高感度でNMR解析可能にした。NMRで細胞内での位置情報を得られるようにする。応用としてモデル膜蛋白質についてNMRで得られた蛋白質構造や細胞内位置情報,電子顕微鏡像を組み合わせて,0.1nmから1μmの分解能で細胞モデル構造を提示した。このために,多次元固体NMR定量測定法,DNP固体NMR法,位置情報を与える常磁性造影剤・分極剤の細胞局在法,スピン拡散距離測定法を実施した。
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