水素原子レベルの時分割解析による呼吸鎖末端酸化酵素のプロトンポンプ機構の研究

2016 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 26291033
• 研究種目: 基盤研究(B)
• 配分区分: 一部基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 生物物理学
• 研究機関: 兵庫県立大学
• 研究代表者: 吉川 信也 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 名誉教授 (40068119)
• 連携研究者: 石森 浩一郎 北海道大学, 大学院理学系研究院, 教授 (20192487) ; 館野 賢 兵庫県立大学, 大学院生命理学研究科, 教授 (40291926) ; 新澤 伊藤 (伊藤 恭子) 兵庫県立大学, 大学院生命理学研究科, 准教授 (70206316) ; 久保 稔 独立行政法人理化学研究所, 城生体金属科学研究室, 研究員 (90392878) ; 玉田 太郎 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (50391248) ; 御前 智則 兵庫県立大学, 大学院物質理学研究科, 助教 (00411786)
• 研究期間 (年度): 2014-04-01 – 2017-03-31
• キーワード: 呼吸鎖末端酸化酵素 / プロトンポンプ / 膜タンパク質 / ヘムタンパク質 / 時分割X線構造解析

研究成果の概要

チトクロム酸化酵素は分子状酸素(O2)の還元によりプロトンポンプを駆動して、ATP合成に利用されるプロトン濃度勾配を形成する、生命維持に最も重要な酵素の一つである。本研究により、X線自由電子レーザー設備を活用して、本酵素の(i) O2還元中心の構造が決定され、(ii) O2がO2還元中心を構成している銅イオンに結合することによりプロトンポンプの逆流を遮断することが明らかされた。前者は５０年来の懸案を解決するものであり、後者は前者とともに本酵素のエネルギー変換機構を水素原子レベルで解明するという生命科学研究者の夢を現実のものとするものである。

自由記述の分野

生物化学