研究課題
ミトコンドリアオートファジー(略してマイトファジー)は、オートファジーによる選択的なミトコンドリア分解機構である。我々は、これまでに出芽酵母を用いた実験系において、マイトファジーに関連する遺伝子のスクリーニングを行い、マイトファジー関連因子の同定とその分子機構の解明を試みてきた。本研究では、これまでの出芽酵母での研究を発展させ、マイトファジーの分子機構の未解明な点を明らかにすると同時に、出芽酵母の研究をさらに哺乳類にまで発展させ、哺乳類でのマイトファジーの理解を進めることを目的としている。平成28年度は、隔離膜がミトコンドリアを選択し、包み込む過程の詳細な解析を行うことに成功した。ミトコンドリアは分裂と融合を繰り返し、その大きさを変化させるオルガネラである。このため、分裂が進むとミトコンドリアは直径が500nm程度の点状構造になるが、融合が進むと数千nmと棒状の形態を取るようになる。後者のミトコンドリアは、一般的なオートファゴソームの大きさを超えているため、これまでマイトファジーの前にミトコンドリア分裂が起こり、小さくなったミトコンドリアが分解されていると考えられてきた。本研究では、出芽酵母、哺乳類細胞を問わず、ミトコンドリア分裂因子破壊株でもマイトファジーが起こること示し、さらに、哺乳類細胞の詳細な蛍光顕微鏡解析により、隔離膜がミトコンドリアを包み込む過程で、ミトコンドリアを適切な大きさに千切り取っていることを明らかにした。この研究成果は、従来の概念と大きく異なるもので、マイトファジーに限定すること無く、オートファジーが分解できる対象の大きさに制限がない可能性を示唆する初めての成果となった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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http://www.med.niigata-u.ac.jp/mit/