野外の植物の光阻害の速度定数は、過剰エネルギー量あるいは非制御エネルギー散逸量と強い相関を示した。また野外の植物には過剰エネルギーを熱として散逸する能力が高い傾向があった。 シロイヌナズナののpgr5変異体の葉に、赤色光の穏やかな強光と弱光を2分毎に繰り返す変動光処理を1時間程度施すと、光化学系Iの顕著な阻害が見られた。この阻害は野生型でも見られた。一方、変動光処理の際に遠赤色光が共存すると阻害はほぼ完全に抑制された。遠赤色光の存在下では、強光照射、弱光照射、いずれの時にも光化学系I反応中心が酸化状態にあり、これが抑制に寄与している。強光照射時には循環的電子伝達の抑制への寄与も大きい。
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