研究課題
多細胞体の発生と分化は細胞間の密なコミュニケーションを介して起こる。特に、高等植物の細胞は細胞壁に囲まれており、自在に移動・変形することが出来ない。そのため、発生途中の細胞群が情報因子をやりとりし適切なタイミングで異なる組織へと分化していくことが重要である。近年、植物の発生におけるペプチドホルモン因子の重要性がクローズアップされてきた。シロイヌナズナEPIDERMAL PATTERNING FACTOR (PEF)/EPF-LIKE (EPFL)ペプチドファミリーの各メンバーは、背丈の伸長や気孔の分化という異なる発生現象を、同一の受容体を介して制御する。では一体、植物体内を交叉する複数の類似シグナルは、同一受容体によってどのように選別・認識されているのだろうか。本研究では、生化学、分子発生遺伝学、ペプチド合成技術を用いて、EPFファミリーペプチドホルモンとERECTAファミリー受容体の機能を明らかにし、リガンド-受容体ペアの細胞組織特異的な作用機作に迫る。研究期間を通じ、プロモータースワップ法によるシロイヌナズナEPF/EPFLファミリー間の機能相補性および特異性の解析を行った。さらには、機能未知であったEPFLファミリー メンバーのうち、EPFL2は、葉のギザギザ(鋸歯)の形成に必要なペプチドホルモンであることを明らかにした。シロイヌナズナには11のEPF/EPFLペプチドホルモンが存在する。機能未知なものに関しては、ゲノム編集法によるノックアウト変異体の作成を試みた。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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